ログイン
IDでもっと便利に[ 新規取得 ]

ジャンル
サブジャンル

国内

ホフマンなど研究、文芸評論家の川村二郎さん死去

2月8日3時4分配信 読売新聞


 文芸評論家でドイツ文学者の川村二郎(かわむら・じろう)さんが7日、心筋梗塞(こうそく)のため死去した。80歳。告別式は15日午前11時、横浜市港北区菊名2の1の5妙蓮寺斎場。喪主は長男、建(たける)氏。
 1928年名古屋市生まれ。東京大学独文科卒。名古屋大学助教授をへて、都立大学教授。ホフマンなどドイツ文学の幻想性、言語感覚、美的世界を研究するかたわら文芸批評を始め、66年、「保田與重郎論」で新進評論家として認められた。

 69年、初の評論集「限界の文学」で亀井勝一郎賞。泉鏡花、幸田露伴など幻想的な作風の作家を論じた「銀河と地獄」で74年、芸術選奨文部大臣新人賞を受けた。説経節を論じた「語り物の宇宙」も注目され、「内田百けん論」で84年、読売文学賞、「アレゴリーの織物」で92年に伊藤整文学賞。ほかの著書に「日本廻国記 一宮巡歴」「白山の水 鏡花をめぐる」「イロニアの大和」など。2005年、日本芸術院会員。(「けん」は「門」の中に「月」)

 本紙や文芸誌「文芸」で長年にわたり文芸時評を担当した。本紙読書委員。広い学識と美に対する繊細な感性で、現代文学を厳しく批評した。吉行淳之介、中上健次らの小説を高く評価し、吉行を論じた評論「感覚の鏡」がある。

 ブロッホ「ウェルギリウスの死」などの翻訳でも知られた。読売文学賞、野間文芸賞、伊藤整文学賞の選考委員も務めていた。

最終更新:2月8日3時4分

Yahoo!ニュース関連記事

関連トピックス

主なニュースサイトで お悔やみ の記事を読む

この記事を読んでいる人はこんな記事も読んでいます

日付を選択:



提供RSS