中国製冷凍ギョーザの中毒事件を受け、自宅でギョーザを手作りする器具の売れ行きが好調だ。これに合わせ、ギョーザの材料も販売が増加。野菜専用の洗剤も消費者の関心を集めており、食品の安全・安心に手間と費用を惜しまない姿勢が鮮明になりつつある。
冷凍ギョーザ全般の売り上げが落ち込む一方、ギョーザ器具の大手、下村工業(新潟県三条市)には、全国のスーパーや専門店などから注文が殺到。手作りギョーザの食材コーナーで一緒に陳列するスーパーも多く、フル稼働でも注文をさばき切れない状況という。このため、1日当たり倍増の3万個へ増産を検討している。
同社の「ギョーザ名人」(550円)、「ギョーザ大好き」(320円)など3種は、ポリプロピレン製の器具に皮と具を乗せて折り込むことで、「手軽にスピーディーに『皮閉じ』できるのが特徴」(東急ハンズ新宿店)だ。
大手スーパーのイトーヨーカ堂は、問題発覚後の1週間、国内産のキャベツやニラ、ひき肉、ギョーザの皮などの各売上額が前年実績比2−3割増で推移。国産食材への回帰と「自宅で作れば安心」という消費者心理が浮き彫りとなった形だ。
天然カルシウムを使用した野菜専用の洗剤開発を手掛けるサーフセラ(東京都)には、野菜加工工場や外食産業からの問い合わせが急増した。同社の「安心やさい」(30包入り、980円)は、ホッキ貝の貝殻を砕いた焼成パウダーをボウルに溶かし、食材を5−10分浸して使用。残留農薬や大腸菌の除去効果が高いとされ、「取れたてのシャキシャキとした食感が一段と増す」(宮崎県の飲食店)のが特徴とされる。
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