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【芸能】

寺山修司の未発表歌集出版 188首が紙片などに

2008年2月6日 17時38分

 〈マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや〉などの作品で知られる歌人で劇作家の寺山修司(1935−83年)の未発表歌が6日までに見つかった。寺山のパートナーだった音楽家の田中未知さんが遺稿を整理、73年から83年までに作られた188首を収めた歌集「月蝕書簡」(岩波書店)として28日に出版される。

 〈面売りの面のなかより買い来たる笑いながらに燃やされにけり〉〈地平線描きわすれたる絵画にて鳥はどこまで墜ちゆかんかな〉〈父ひとり消せる分だけすりへりし消しゴムを持つ詩人の旅路〉など劇的なイメージが強く、愛唱性に富む歌が収められている。

 60年代以降は短歌から離れたとみられていた寺山だが、73年に文芸誌の依頼を受けたことがきっかけで歌作りを再開したとみられる。さまざまな紙片やノート、画帳、絵はがきの裏などに書き留めた短歌が、田中さんの手元に残った。タイトルの「月蝕書簡」は、本人が予定表に記していたものをそのまま付けたという。

(共同)
 

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