巨大豪華客船、レインボーブリッジくぐれず 誘致に障害2008年02月05日15時01分 東京港のシンボル・レインボーブリッジが、豪華客船を誘致する際の思わぬ障害になっている。設計時の想定を上回って客船の巨大化が進み、多くの大型客船が橋をくぐれないためだ。近年のクルーズ旅行ブームで、客船の寄港は観光資源になり経済効果も大きい。東京都は新年度に1000万円の予算をつけ、大型客船はあきらめて中型客船の誘致策などに乗り出す。
都心と臨海副都心をつなぐレインボーブリッジは93年に完成した。橋げたの高さは、豪華客船の象徴クイーン・エリザベス2世号(QE2、7万トン)の海面上の高さとほぼ同じ52メートル。近くに羽田空港があり、航空法で主塔の高さが制限されたため「QE2がマストを外すか干潮時ならぎりぎり通れる設計」(都港湾局)だった。 都は橋の完成前の91年、橋より港の奥にある晴海客船ターミナルを「QE2が着岸できる規模にする」として91億円かけて東京港唯一の国際窓口に整備した。「QE2は橋ができれば多少苦労してでも来てくれるだろうと漠然と思っていた」(当時の都幹部)が、橋の完成後の来港はなし。国内の運航代理店は「船が傷つく危険は冒せない」。 さらに近年は、サファイア・プリンセス(12万トン、海面高54メートル)やクイーン・メリー2号(15万トン、同62メートル)など、橋を完全にくぐれない巨大客船も登場した。都内のクルーズ専門旅行会社の社長は「豪華客船は10万トン超が主流。東京港は国際港として完全に取り残された」と話す。 実際、海外客船の東京港入港数は01年の22隻から06年には10隻に減り、横浜港(01年4隻、06年13隻)に逆転された。 各地の大型橋もQE2が余裕をもって通過できるように設計されており、横浜港のベイブリッジが56メートル、瀬戸大橋や明石海峡大橋は約80メートルある。 PR情報この記事の関連情報社会
|
ここから広告です 広告終わり どらく
一覧企画特集
特集
朝日新聞社から |