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難病ALS 進行関与の細胞特定、治療法開発に期待

2008年02月04日06時03分

 全身の運動神経が侵される難病「筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)」の進行に、神経細胞のネットワーク作りに重要とされるグリア細胞のうちの2種類が関係していることを、理化学研究所などのチームが突き止めた。治療法の開発につながる可能性がある。3日付の米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に発表する。

 理研脳科学総合研究センターの山中宏二・ユニットリーダーらは、特定の細胞から遺伝型のALSに関係する遺伝子変異を取り除けるモデルマウスを作った。このマウスを使い、グリア細胞のうち、神経細胞を支え養う働きがあるアストロサイトから、変異型遺伝子を取り除いた。すると病気の進行が大幅に遅れた。また、傷んだ神経細胞を修復する働きがあるというミクログリアが病巣で神経細胞に障害を与えていることもわかった。

 ALSの進行を遅らせる有効な治療法として、この二つのグリア細胞を標的とした幹細胞治療法や薬剤の開発が考えられる。

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