出会い系男に１億３０００万円　会社の金盗み貢ぐ　６年間一度も会わず

　携帯電話の出会い系サイトで知り合い一度も会ったことがない男に送るため、勤務先の口座から現金を引き出したとして、愛知県警港署は２４日、窃盗容疑で名古屋市中川区大畑町、元会社員、塚田幸子容疑者（３０）を逮捕、共犯として金を受け取った本籍広島県で住所不定、無職、広沢正文容疑者（３２）も逮捕した。

　同署によると、２人は平成１３年末ごろ、サイトで知り合い、広沢容疑者が「親が病気になった」などと現金を要求。塚田容疑者は１４年６月から昨年４月にかけ、勤務先の口座から繰り返し金を引き出していた。同署は、広沢容疑者に送金した額は計約１億３０００万円とみている。

　連絡は主にメールで、塚田容疑者は「交際を続けたかった」と供述しているという。

　調べでは、塚田容疑者は名古屋市港区の港湾運送会社で経理を担当していたが、広沢容疑者と共謀し、昨年３月から４月までの間、会社の銀行口座から計２５０万円を引き出し、盗んだ疑い。

　広沢容疑者は、塚田容疑者が会社の金を盗んでいることを知りながら、要求を続けていたと供述しているという。

　この会社が昨年４月に実施した内部調査で犯行が発覚。５月に塚田容疑者を懲戒解雇し、同署に告訴していた。