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FAN各種
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●写真左が「リブ付」、右が「リブ無し」
  リブ付はフランジナットでの固定の場合、締めすぎによる変形が防止でき、ファン全体がカチッと収まりがよくなります。 リブ無しの利点は、防振ブッシュなどが使用できる点や、簡単にテーパーネジ固定ができ、扱いが楽になります。 現在流通しているモデルの割合は半々といったところ。 それぞれの利点を考慮してファンを選ぶことをお勧めします。
●ファン固定ネジ
 PCパーツ業界では写真右のようなテーパーネジが付属してくることが多く、非常に一般的で簡単。 しかしファンメーカーはフレーム自体にねじ込む(傷つける)方法は禁止しており、写真左のようなフランジナットで固定する方法を推奨しています。 ただし、フランジナット固定の場合、特にリブ無しフレームに固定する場合は、締めすぎによりフレームが曲がり、全体のバランスを崩すため、注意が必要とされています。
■北川工業のワンタッチブッシュ(写真左)や、AINEX「MA-023」「MA-023A」(写真右)は防振効果+取付けの簡単さが売り。 ただし、リブ無しファンのみ装着可能。

●ファン選びには重要な羽形状。 一般的にRがきついものは平型に比べ風をかき出す力が強い。 また径の小さなファンには羽の面積に制限があるため、あまりRのきつい羽が使用できません。 風をかき出す力を強めるためにはファンの厚みを稼ぐなどの方法も。
 羽形状を確認し、「風量重視」「静圧重視」など用途に応じた選び方をおすすめします。


■写真左「XINRUILIAN RDL8025S Blue」 標準的な羽形状。 写真右は小型40x40x38mmファン。 

●騒音発生源は羽形状だけでなく、、、
 右の写真のような”サイレントファン”といわれるものが産業用ではよく使われています。 これは通常の角形ベンチュリファンに比べ、風を吸い込むエッジ部分を丸くすることにより、風が抵抗無くスムーズに流れるため、騒音の原因のひとつとなる渦巻き状の乱流が発生せず(空気の剥離現象)、より騒音発生を防げるといわれています。
 写真左はさらにスリッドが付いたPanafloのファンで、前述の渦巻き乱流を軽減する目的から、側面の空隙より空気を流入させて翼端渦をほぼ完全に打ち消し特性を向上させたモデルです。

●Colorについて
 普通の黒いファンに比べ、スケルトンTypeのファンはより硬質にできています。(黒=軟質、スケルトン=硬質) テーパーネジなどで固定する場合、スケルトンTypeの場合、ざらざらした砂のような摩擦音が聞こえ、あまりトルクを急激にかけると最悪の場合ひび割れなどが起こりやすく、黒いファンに比べると扱いに注意が必要です。 また筐体などに取付ける場合、ファン自体の回転振動がダイレクトに伝わりやすく、ビビリ音の発生源にもなりかねません。 ファンにこだわりを持つユーザーは黒いファンを選ぶようですが、LED搭載FANなどアクセサリーと見た場合は当然スケルトンファンに分があります。

●軸受け構造について
 ファン選びで気になるのが軸受け構造。 大まかに言えば、ボールベアリングよりもスリーブベアリングの方が静音性に優れていると言われています。
 ボールベアリングはそのなの通り、ローター軸とステータとよばれる部分にボールを介すことにより、回転を滑らかにして回転させる構造で、発熱体であるローターとステータに余分な温度上昇をさせない特性があります。(=点で支える構造) ファンの寿命は温度上昇から来る劣化などに依存するため、その部分に優れているボールベアリングは寿命が長いと言われています。 ただし低回転ファンなど風切り音が少ないファンの場合、一般的にボールベアリング特有の低域の音が目立つため、低いレンジの音が気になる人にとっては静音を謳うファンでもうるさく感じることでしょう。 
 また通常の2ボールベアリング軸受けの場合、軸の両サイドにボールが介されているため、低速になった場合でも安定した中心点を保ちながら回る特性があります。(コマの原理と一緒で、回転が落ちてくると軸自体のバランスは左右に乱れ始めるが、両サイドのサポートにより安定する)
  一方スリーブベアリングはボールベアリングに比べれば数字上の製品寿命は短め。 ただし、構造上の利点も少なくありません。 簡単に言えば、軸周りの筒状の部分に潤滑油を閉じこめている構造なため、余分な物理的摩擦が起きず、ボールベアリングのような音の発生源が無いと言うこと。 またHDD等にも採用されている”流体軸受け”などもスリーブベアリングの改良版と言えるもので、このほかにも松下電器が採用しているPanaflo、Nidecが採用しているNBR(Nidec Bearing Revolution)、ADDAが採用しているハイプロベアリングなど、各社が多く採用している軸受け構造です。
 こう見て行くと、長寿命であってほしいCPUクーラー搭載FANは当然ボールベアリングが一番だと思いこんでしまいますが、静音を謳うCPUクーラー搭載のファンの多くはスリーブベアリングを採用しており、CoolerMasterの「Cyprum」なども搭載FANはスリーブベアリングとなっています。 
 別の観点からの利点は、製造コストの安さ(マテリアル含)から、スリーブベアリングFANの方が”お手頃”な場合が多いようです。 ヒートシンクにコストをかけようとすると、売価バランスからファンはスリーブという選択もあるのかもしれません。 CPUクーラーを選ぶ際、搭載FANの軸受け構造まで気にして選ぶこともまたひとつでしょう。

■特殊な駆動方式を採用しているY.S Tech。 ファンの羽外周(インペラ)にマグネットリングを付け、モーター部を外周に埋め込んだリニアモーター型。
 ファン中央部まで風が送り込めるため、CPUクーラーなどには適している。

■国内正規販売店である高速電脳で初回出荷以来根強い人気の「XINRUILIAN」。 当初スリーブベアリングのみの展開からミネベア製2ボールベアリングファンを追加し、現在も続々新製品が開発されています。 
 正規代理店:長尾製作所とXINRUILIANがシステム向けファンをリテール向けに改良し、ハウジングからインペラ形状、コネクタ形状、ケーブル形状に至るまでを企画。 ケースファン、CPUファンなどあらゆる用途に対応しています。

■自社ベアリング採用のミネベア製ファン。 松下電器産業と技術提携後も両者独自ブランドで製品展開を継続中。
●ファンのメンテナンス
 ボールベアリングでもスリーブベアリングでも経年変化でいつか雑音が大きくなる日がきます。 少しでも滑らかにしたいがために、軸受け部分に油をさすユーザーがいるようですが、これは全く無意味。 ボールベアリング、スリーブベアリング共にスリーブといわれる部分に駆動部が密閉されており、逆にトラブルの原因となります。 雑音や寿命の一番の要因となるのはホコリなので、ファンフィルターなどを使用し、通常使用中に於いてファンに気を配ってあげましょう。 特に筐体の前面吸気ファンにフィルターを装着することは有効で、吸気ファンだけでなく、PC内部、CPUクーラーなどの保護にもなります。 低回転駆動の場合、風の妨げになるために背面ファンに関してはなるべく抵抗のない状況をつくってあげる意味においてもファンガード程度でもよいと考えます。
■流体軸受けを世に広めた「Panaflo」。 ボールベアリングに比べ、高い周波数の音が特徴的。
■Nidec(日本電産)はNBRシステムを独自に開発。
 改良型スリーブベアリングの一種。

 耐久時間表記のばらつきは測定温度に依存します。 山洋電気の技術公開資料によると、「ファンモーターは自己冷却しているので、モーター自体の温度上昇は比較的低く、軸受け部もグリスの温度上昇が少ないため、一般のモーターよりも長寿命が期待」できるとあります。 使用環境に大きく依存しますが、軸受けおよび使用ベアリングのマテリアルによって熱耐性が高い場合は当然長寿命となり、またその逆が言えるわけです。
 計測基準温度が高く、製品寿命表記が長いファン=長寿命ファンとなるため、ファンを選ぶ時はただ単に耐久時間だけでなく、どの温度でのテスト結果かを重視する必要があります。 製品寿命が極端に長く表記されているものは、測定温度が25℃などの場合があるため、特に注意が必要です。 一般的ボールベアリングの目安は測定温度45℃〜60℃、製品寿命40,000h〜50,000h程度が多数を占めています。 
 また製品寿命と定める値について某メーカーの仕様書では周囲温度50℃、湿度65%において、30,000h定格電圧連続運転にて90%以上が正常品であり、回転速度が初期回転速度より30%、つまり70%の回転に落ちた時点で製品寿命としています。 つまりスペック通りの回転数が出ていなくても(寿命がきても)回り続けることから、適正回転のファンを常に使用したい場合、やはりファンは消耗品と割り切り、早めの交換をお勧めします。 なお、オリエンタルモーターでは定格通電時間(コンデンサの定格負荷、定格電圧、定格温度、定格周波数で動作された時の設計上の最低寿命)は約25,000hがとされているため、消耗品として割り切る場合の交換時期の目安になるでしょう。 この定格通電時間25,000hを目安とした場合、スリーブベアリングの30,000hは決して短いものではないことがわかります。 
 ちなみにファンの動作に支障がない温度は山洋電気では-30℃〜+70℃(結露なきこと)とされています。


 一般的にファンのパッケージに記載されている騒音値dB(A)の測定は、無響室内において、吊り下げたファン吸い込み口から1mの位置より測定する方法がとられています。 理論的に空気の圧力変化により生じる騒音が客観的数値=騒音値で当然数値が多ければ多いほどうるさく感じます。 CPUクーラーなどの場合、ヒートシンクのフィン形状によって、圧力変化が異なるため、数値以上の騒音を感じることがあります。 またファンの風がヒートシンクに跳ね返り、耳にあたる時に生じる音まで騒音として拾ってしまうため、静音を謳うCPUクーラーで同数値の別モデルでは音の聞こえ方に違いが出てしまうのです。
 またケースファンとして使用する場合、筐体前面の吸気に使う場合は、ファンの寿命を考慮し、ファンフィルターを装着することをおすすめしますが、前述の通り、ファンフィルターを通る音が聞こえたり、風通りの妨げとなり風量が極端に落ちてしまうので注意が必要です。 ちなみにファンガードを装着した場合での風量損失テストではほとんど影響がないことがわかっています。 
 背面排気ファンは昨今の高クロック化、高発熱化にともない、装着は必須ともいえるもので、物理的に背面であれば通常PCを使用する場合は耳に一番遠い場所に位置することから、前面吸気ファンよりも風量の高いものを装着することをお勧めしています。
 ちなみにDualFANなどにする場合の騒音値ですが、30dB(A)、40dB(A)2基並列駆動の場合の騒音値は70dB(A)にはならず、騒音値の高いファン(この場合40dB(A))+数%程度の音量増加となります。 このことから、PCで使用すると思われる前面吸気ファン、CPUクーラーのファン、背面排気ファン、電源内部吸気ファン、電源外部排気ファン、これら各々の騒音値を考慮し、バランスを取ることも有効かもしれません。 
■JIS B8330準拠によるファン騒音値測定方法。 ファン吸込み口から1m離れたところにある騒音計が音を拾い、製品のデシベル値が決定。 1mはかなりの距離となり、ファンの音を耳元で聞いた場合は、思いの外大きな音に聞こえることも。

 最大風量値については非常に複雑なため、詳細は割愛しますが、ファンを選ぶ際、同回転数、同厚製品を数種見比べ、最大風量の違いと羽形状(Rのきつさ等)の違いを見ると、そのファンの特性が解ります。 メーカーおよびモデルによる羽形状の違いはそのファンの味付けの違いと解釈できます。 
 メーカーでの最大風量の測定方法は、ダブルチャンバー方式(空力試験装置)を採用しており(風量−静圧特性 [P-Q特性]JIS B 8330 準拠) CFM、またはm3/minで表記されています。 (1m3/min=35.31CFM) 

 定格から電圧を落とし、ファンの回転を減速させる低電圧駆動はいまや当たり前。(ただし、ファンメーカーは当然のことながら、定格駆動ではないため、保証外) 一番簡単な方法はファンコントローラーを使用することですが、このほかにも低電圧駆動用のパーツが多数発売されています。 ちなみにファンの定格電圧は12Vですが、ファンの仕様書をみると、Operating Voltage Randeというものが設けられており、4.xV〜13.8V(例)の範囲までは動作すると記載されています。
 つまりこの場合は所謂5V駆動可能ということになります。 弊社でデジタル回転計による減速テストを行ったところ、2000rpmのファンを5V駆動した場合の回転数は約750rpmとなり、かなりの静音になりますが、その分風量もかなり落ちますので注意が必要です。 また同じ仕様のファンでも製造ロットによって使用しているICが変わる場合がありますので、必ずしも同型番で5V駆動が可能とはいえません。
 ちなみに0-100%以外のファンコントローラーの場合は7V-12Vのレンジ幅が多く、通常のファンであれば最低7Vあれば駆動し始めるという解釈からこの安全な値がとられていると思われます。 

■ZALMANのファン減速パーツ。 結線により5Vにするもの、抵抗をつけて減速させるもの、ボリュームコントロールで減速させるもの等、比較的安価なラインナップで人気があります。


●温度可変(サーミスタ付)ファンの正しい使い方とは
 サーミスタ付温度可変ファンは搭載場所によってはその性能を十分発揮できない場合があるため注意が必要です。 温度可変ファンのメーカー定義は、エアフローが通り抜ける温度を検知し、可変させるということが前提です。 CPUクーラーに取付ける場合、高負荷時に最高回転、低負荷時・アイドリング時には最低回転で回ってもらいたいところですが、センサー部の固定場所の多くは下写真右のように中心部付近に搭載されています。 エアフローはラベル側へ抜けるため、CPUクーラーでの使用の場合は、ラベル面を上に向ける必要があるということになり、所謂「吸い出し式」のCPUクーラーの場合は効果を発揮するといえます。 逆に「吹きつけ式」のCPUクーラーに搭載した場合、筐体内部の風をヒートシンク側にあてる形となるため、CPUの温度を検知しての可変にはなりにくいといえます。(筐体内部の温度が低い場合、センサー部が自己冷却し、正確な可変が難しいともいえます)
 上記回避方法としては、温度センサーを任意の場所に取付けられる外付けサーミスタ型という選択肢もあります。 これならばCPUファンとして使用する場合、ヒートシンクに貼り付けるなどの方法でより正確に可変することが期待できます。 ただし、可変温度の可変幅が低い場合は、常に最高速で回転する可能性もありますので、注意が必要です。 

■写真左 温度センサーを任意の場所に取付け可能な可変GLOBEファン
写真右 XINRUILIANのサンプル品で、固定型のサーミスタ搭載可変ファン


●筐体などへのファン固定制限
 ファンの特性を一番発揮できる設置方法は、筐体などの設置部に直接取付けるよりも羽厚の約半分の間隔を開けて取付けることをメーカーは推奨しています。 これはファン吸込み側と吐き出し側の圧力差からなる騒音防止によるものです。 弊社でテストを行いましたが、あまり違いは感じられませんでした。
●一般的にファンは軸水平固定
 スリーブベアリングは軸垂直固定での使用よりも軸水平固定での使用が推奨されています。 これは軸受け構造と、寿命にかかわるもので、ボールベアリングに関してはその制限は特にありません。
●羽表面のざらざらとつるつる
 羽表面を見ると、モデルにより「ざらざら」したものと、「つるつる」したものがあることに気が付きます。 ざらざらした方が風を掴むために風量が稼げると言われていますが、実際の効果はわかりませんでした。


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