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トラック協会:交付金残高、1200億円 関連団体、自民に献金

 ◇暫定税率負担軽減へ創設

 トラック業界の社団法人「全日本トラック協会」(全ト協、東京都)と各地のトラック協会が、都道府県の補助金「運輸事業振興助成交付金」を財源として基金を積み立て、その残高が06年度末現在で、約1200億円に達することが毎日新聞の調べで分かった。巨額の基金があるのに、交付金の支出は全国で年間約180億円に上り、毎年多額の税金が投入され続けている。

 また、トラック協会の関連政治団体が04~06年、自民党議員でつくるトラック輸送振興議員連盟(トラック議連)のメンバーら約70人に1億円を超す献金をしていたことも判明した。

 交付金は76年、軽油引取税の暫定税率が30%引き上げられたことに伴い、国の要請で導入。輸送費用の上昇抑止を目的に、都道府県が地元トラック協会などに助成している。当初は2年間の優遇措置とされたが、税制度の維持とともに計8回延長された。

 各地のトラック協会は、事業者の借入金の利子補給などを目的とした基金を積み立て、06年度末の基金残高は全国で総額約930億円。交付金の約25%は各協会から全ト協に上納されており、全ト協の基金の残高も約290億円に達している。

 収入の約9割を交付金に依存している全ト協は、制度の延長や道路特定財源の一般財源化反対について、トラック議連の役員らに陳情を続けている。全ト協役員が代表を務める政治団体「道路運送経営研究会」が04~06年、議連メンバーら約70人に提供した寄付やパーティー券購入代金などは1億円を超えた。

 研究会の収入の約7割は主催するパーティー券の販売で賄われ、多くは地方協会などが購入している。【田中謙吉、伊藤一郎】

 ◇全ト協の話

 基金は国の指導を受けて運用し、全国の業者が受ける融資の利子補給などに適切に充てており、問題ないと考えている。政治団体は全く別の組織であり、協会からの直接の献金実績はない。

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 ■ことば

 ◇軽油引取税

 トラックなどの燃料に使う軽油を購入する際に課税される地方税で、1956年に導入。道路特定財源となっている。税率は数回にわたって暫定措置として引き上げられ、現在は1リットルあたり32円10銭。

毎日新聞 2008年1月25日 東京朝刊

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