中国産原料・製品について

コープで扱う輸入食品について

輸入食品

「商品ガイド」(P17)より 

現在の私たちの生活は海外の国々の生産物を抜きにしては成り立ちません。輸入にあたっては常に日本の農林水畜産物の状況や輸入相手国での生産をめぐる状況を考えてすすめます。

(1)輸入食品の取り扱い分野

常に最適な品質・価格の商品を安定的に提供することで組合員のくらしを豊かにし、選択の幅を広げるために国産品と輸入品を 適切に組み合わせて提供します。 

  1. 国産品と輸入品との間の価格や品質に大きな隔たりがあり、国産品では組合員の納得を得られにくいもの。
  2. ある時期において、日本で作るには無理があるもの。
  3. 日本にない品種や品質が提供できるもの。
  4. グリーン・プログラムなどの取り組みが可能なもの。
  5. 国際的な協同組合間の連帯と発展に役立つもの。

(2)輸入食品の調達や提供にあたっての留意点 

  1. 安全性を確保します。  
  2. 品質管理を適切におこないます。  
  3. 情報提供を積極的におこない、組合員の選択に役立てます。  
  4. 産地の生産状況(資源の管理や生産方法、生産に携わる人のくらしや仕組み)を把握し、「フェアトレード」や「SA8000」の取り組みの可能性を追求します。
  5. 問題発生時における迅速な対応に努めます。
  6. 輸入食品の流れや生産状況等の学習や話しあいが深まるようにします。
  7. 生活を見直し食物を大切にする活動をすすめます。

(3)輸入食品に関して政府への要望

  1. 食糧品の輸入増加に対応した、安全確保のための全国の輸入監視機関、食品衛生体制、検査機関の強化を求めます。
  2. 安全性に対する疑問発生時の情報公開を含めた、迅速な情報提供と対策の実施を含めた体制づくりを求めます
  3. 国内の農林水畜産業の強化に有効な施策の実行を求めます。

 

なぜ中国の原料・製品を使うのですか?

中国地図

商品により、国産品に比べ、より安定的な原料調達と、より低価格での商品提供が可能です。
同時に安全性の確認もしています。

 

  1. 日本の食料自給率は約40%です。青果物以外にも、国産の肉や卵、牛乳なども多くは輸入の穀物を飼料にしています。国産だけで食料自給するには現在の日本の耕地の約2.5倍が必要です、しかも働き手も高齢化し、現実的ではありません。稲作中心で高温多湿な気候の日本は単位面積当たり農薬使用量が世界一多いのも事実です。
  2. 中国は日本の隣国であり、気候・文化・習慣も共通する点が多くあります。特に山東省は仙台とほぼ同緯度にあり、日本の約4割の面積と気候・土質など野菜を作るのに適している地域です。
  3. 食品に限らず、衣料品、日用品など中国の世界の加工基地としての役割は否定できません。中国はWTOを加盟を果たし、日本に限らず世界貿易の中で欠かせない存在になっています。
  4. 現地の工場はHACCPやISOなど国際基準の取得を進め、06年1月の環境認証は12683件と日本に次ぐ世界2位(アメリカは6位)になっています。確かに一部報道にあるような粗悪品を輸出している事実もありますので、より厳格な工程管理と検査体制の強化が重要と考えています。
  5. コープは「中国産」だから危険という短絡的な考え方はとりません。組合員のふだんのくらしに必要なものを、より安全に、確かな品質で、より低価格で提供することを重視します。同時に組合員が選べる品揃えと情報を大切に、学習の場を広げます。

用語説明

フェアトレード:途上国の産物を適正な価格で継続的に輸入することを通じて、持続的な生活向上を支える取引のあり方。

SA8000:国際的な労働市場での基本的な労働者の人権の保護に関する規範を定めた規格。(児童労働、強制労働、差別の撤廃、など9つの分野がテーマ。)

 

ほうれん草の写真ユーコープ事業連合では

2002年3月に市販の中国産冷凍ほうれん草の多くから、食品衛生法の基準値を越えるクロルピルホス(殺虫剤)が検出されました。同年7月には厚生労働省が輸入業者に対して、輸入自粛要請を行いました。2003年3月には解除されましたが、同年  5月には再度2件の違反事例が発生し、2回目の輸入自粛になりました。2004年6月には品質基準を満たした指定27工場が管理する圃場で収穫・製造された冷凍ほうれん草は自粛解除されました。

このうち、1回目の自粛期間中でもユーコープは指定工場からの直輸入を継続しました。

それは、

  1. 商品開発時から圃場を特定し、収穫・製造まで一貫管理ができていたこと。
  2. 毎年のようにユーコープの担当者が現地を調査し、コープの取り組みの意志を伝えてきたこと。
  3. 期間中の相次ぐ内外の検査結果でも基準値を越えた残留農薬は検出されなかったこと。

などです。しかし、2回目の自粛要請は強制力が強く、ユーコープも輸入が認められませんでした。行政からはあくまで「自粛要請」でしたが、コープは自ら責任をもって安全性を確認した商品を販売する意思表示を行いました。この時のユーコープ指定工場は上記の27社にも選ばれることになります。

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