中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索

間隔延長を先送り 原発定検で保安院 '08/1/29

 原発の定期検査(定検)の間隔を長くし、長期間連続運転できるようにする新制度導入に対し、原発立地自治体から「安全を最優先にすべきだ」などと反発が強く、経済産業省原子力安全・保安院は二十八日までに、四月に予定していた導入の見送りを決めた。

 必要な省令の改正案も作成できず、めどがつかない状態だ。

 原発の定検終了から次の定検を始めるまでの期間は現在、十三カ月以内と決められている。だが、地球温暖化防止に貢献すると位置付けている原発の稼働率向上を狙う電力業界などの要望を受け、保安院は定検間隔を延長する方針を固め、当面は十八カ月まで認め、実績をみながら最長二十四カ月にする方向で、制度変更に伴う課題を検討してきた。

 保安院幹部らは立地自治体への説明に回ったが、自治体側から「効率や稼働率向上ではなく安全を最優先にすべきだ」「納得できる科学的根拠を示し、住民に説明してほしい」などの反対意見が続出。「定検間隔が空くと、定検に伴う地元への経済効果が減る」との声もあったという。

 新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発で火災やトラブルがあり、安全性への懸念が強まったことも影響したとみられる。

 保安院は引き続き導入に向けた準備を進めるが「スケジュールありきだとの批判もあり、地元の理解がないと始められないので、今後も説明の努力を続けたい」としている。




HomeTopBackNextLast
安全安心
おでかけ