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糸井 |
みんなが、さんまさんについて、というか、
さんまさんの人生について過度に期待するのは、
「自分にはできない記録を出してほしい」
ということなんですよね。 |
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さんま |
ああ、はい、はい(笑)。 |
糸井 |
「カール・ルイス頼む!」
みたいなことですよね。 |
さんま |
クワー(笑)。
でもね、そう言いながらも、かげではね、
「ほんまにやりよった」って
笑ってるんですよ、きっと、みんなね。 |
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糸井 |
いや、友だちってそういうもんですよ。 |
さんま |
そういうもんです。
所ジョージさんなんかも、
よくそういうことをおっしゃいますね。
「さんちゃん、絶対幸せになれないじゃーん。
だから、おれんちの前に
家つくっといてあげたよ」って、
バスを改造した家を作ってくださったみたいで、
そこへ老後来いという話に
いつもなるんですけども、ええ(笑)。
だから、「結婚しないで」とか、
みんなは言うんですけど、それはね、
それはそんなに人のために、どこまで‥‥。 |
一同 |
(笑) |
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糸井 |
実験材料のような意味もあり、
願望のようなものもあり。 |
さんま |
多少、願望もあるのかもしれないですけど。 |
糸井 |
あります、あります。
ヒーローにはそうあってほしいですからね。 |
さんま |
ぜんぜん違うヒーローとしてね。
「オレはできなかったけど、あんたは」
っていう気持ちもあるとは思うんですけどね。 |
糸井 |
ただ、ぜんぶに応えるわけにもね。 |
さんま |
まぁ、そうしないつもりですけどね。
頭のどっかには、そういう
(期待に応えたい)気持ちもありつつ、
「そんなバカな」と言い聞かせつつ、でも、
「あ、こういうことをしてほしいのかな」とか。 |
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糸井 |
思っちゃうんですね(笑)。 |
さんま |
いや、やんないですよ。
やんないですけど、まぁ、
期待どおりにはいけないけども、
努力しようかな、とか。 |
糸井 |
(笑) |
さんま |
30何年も応援し続けてくれてる
ファンの人もいますからね。 |
糸井 |
「それをする男だ」と思いながらね。 |
さんま |
一部には、いると思うんですよ。
ふつうのテレビを見てるファンは、
テレビでおもしろいことさえ
やってくれればいいと思ってるんでしょうけど、
あの、オレの人生を楽しんでる人も、一部には。 |
糸井 |
いや、そうとういますよ(笑)。
たとえば、小さいレベルでいえば、
『27時間テレビ』で、
中居くんとの深夜の番組が終わって、
「さよなら」って引っ込んだあとも、
「絶対、さんまはまた出てくる」って思って、
テレビを消さない人がいるんですよ。 |
さんま |
そうですねぇ(笑)。 |
糸井 |
まぁ、それはぼくなんですけど。 |
さんま |
クワー(笑)。 |
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糸井 |
「やっぱり、さんまはまだいました」
っていうのが見たくて、
しばらく消せないんですよね。 |
さんま |
「あいつまた出よった」って(笑)。
いっぺんね、『27時間』で、
「2時間だけ出てください」って頼まれて、
夜の9時ぐらいでしたかね、
出たことがあるんですよ。
で、2時間でいい、言われてるのに、
けっきょく13時間出たんです。 |
一同 |
(爆笑) |
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さんま |
もう、そういうときはね、
ぼくの人生ごと楽しんでいる一部の人は
笑ってくれるんですよ。
もうね、ああいうのが、好き。 |
糸井 |
はははははは。 |
さんま |
なんかそういう、期待って、
実際には忘れてるんですけども、
なんか、自分でやってしまいますね。 |
糸井 |
だから、もうなんか、さんまさんは
個人としてのさんまじゃなくて、
「さんまシステム」みたいなものが
動いてるんですよね。 |
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さんま |
いや、それは、ほんとは、
期待に応えちゃダメなんですけどね。
もう、ぼちぼち年齢的にも。 |
糸井 |
いや、そこはだから、
笑いのおかげで、できてるともいえますよね。
二枚目でその期待されてたら
もっとキツいと思うんですよ。 |
さんま |
ああ、そりゃ、もちろん。はい。 |
糸井 |
二枚目でそういう状況だと、
マイケル・ジャクソンに
なっちゃうと思うんですよ。 |
さんま |
クワー(笑)。
いや、でも、あのね、
近いですよ、マイケル・ジャクソン。 |
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一同 |
(爆笑) |
さんま |
近いです、近いです。かなり近いです。
あの、桁とか規模は大きく違いますけど、
かなりマイケル・ジャンクソンって‥‥。 |
糸井 |
近い? |
さんま |
近いと思いますよ。わかりますもん。
自分を追い込んでいってしまったんだろうとか。 |
糸井 |
マイケル・ジャクソンも、
マイケル・ジャクソンというシステムの中で
期待に応えてますよね。 |
さんま |
はい。
あの、遊園地作ったときにね、
ちらっと思いましたね。
ああ、この人ここに助けを求めたんだ、と。 |
糸井 |
それはすごい共感ですねぇ(笑)。 |
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(続きます) |