中国の北京市当局は、オリンピックのメイン会場である国家スタジアム、いわゆる「鳥の巣」の工事現場で、労災事故でこれまでに2人が死亡したことを初めて公式に認めました。
これは、北京市のオリンピック組織委員会が28日に開いた記者会見で明らかにしたものです。それによりますと、「鳥の巣」の工事現場では2006年に1人、2007年に1人の、あわせて2人の労働者が労災事故で死亡したということです。
「鳥の巣」をめぐっては、20日付けのイギリスのサンデータイムズが、「中国当局はメイン会場の建設現場で起きた事故で、少なくとも10人が死亡したことを隠している」と伝えましたが、中国政府は当初、「事実かどうか調査する」と述べて確認を避けていました。
中国側が死亡事故の事実を認めたのは、これが初めてのことです。また、組織委員会は場所には触れませんでしたが、競技場の工事現場で農民労働者4人が重軽傷を負ったことも明らかにしています。(30日01:00)