先週、医師と患者の関係についての意見をいくつか紹介したところ、開業医や関係者らから新たなメールが多数寄せられた。
まず大阪府堺市の40代の男性開業医から。≪もう、常識など通じる時代ではない≫という表題のメールには、常識を忘れた社会への嘆きがつづられていた。
≪休日や夜間に連絡をとれるように連絡先を教えると、緊急性のないことでも簡単に電話をかけてくる。翌日の診療時間内に十分であるような用件でも、早く相談したいなどとこちらの状況も考えず電話をしてくる。そんな患者が、あまりにも多すぎる≫
男性は、開業医もほとんどが10年、20年と病院勤務を経た上で開業している“勤務医OB”だとした上で、≪どんなに忙しい救急医でも、ごく一部の医師を除けば24時間、365日拘束される勤務医なんているわけはない≫と反論する。
≪いつでも連絡を取れる開業医を希望するような非常識な意見に対して言いたい。医療はコンビニではないのである≫
診療所で働く30代の女性からは、こんなメールが届いた。
≪私の手伝っている開業医では転送電話を用いて24時間対応しています。緊急時には夜中でも往診します≫
しかし、緊急とされる電話の中にはとても急を要するとは言えないものが多いという。
≪緊急電話にかかってくるものの中には、マンションの勧誘やいたずら電話も多い。真夜中に「検査の予約をとりたい」とかけてくる人もいます≫とした上で、≪本当に必要な緊急電話は受けたいが、それ以外は受ける必要があるのかと思います≫と訴える。
≪「24時間診てくれて当たり前」と思われると、ちょっとつらいです≫
冒頭の男性開業医は、今回の搬送拒否問題にも疑問を呈す。
昨年、大阪府内で16歳の少女が足の痛みを訴え43病院から搬送を断られたという例を挙げ、≪救急車を呼ぶような緊急性の疾患であったのだろうか。「緊急性がなく我慢が足らずに救急車を呼ぶ!多数の病院に断られ、救急隊は迷惑!後日搬送代を払うべきだ」という事例もあるのでは≫。(信)
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