さてさて。構築デッキ“ヘビィ・デス・メタル”が発売されて約一週間ですが皆さん、もう手に入れましたでしょうか?
ご存知の通りこのデッキ、「使える」カードが満載。
ええ。このスーパーデッキが限定商品であったなら、今後が心配になるほどの内容です。
DMのスーパーデッキも、遊戯王の構築済みデッキのように、問屋に発注すればいつでも入荷できる“定番商品”にする必要があるでしょう。(でないと四月まで続けるという“ゼロデュエル”は、新規ユーザーの門戸になりえません)
○ゼロデュエル用に10枚入れ替えて改造!これがカードキングダムおすすめのチューンだ!!
本気モードで改造するのは後にして、まずは
「10枚のカードを抜き、新たに10枚のカードを加える」
というゼロデュエルのルールに則って改造してみましょう。
カードキングダムおすすめのチューンナップは、これ!
ヘビィ・デス・メタルゼロデュエル用改造“ヘビィループ”
闇
4×ブラッディ・ドラグーン
4×解体人形ジェニー(新投入)
2×黒神龍ドボルザーク
3×龍神ヘビィ
2×凶星王ダークヒドラ(新投入)
2×炎獄スマッシュ
2×邪魂創世
4×デーモンハンド
火
4×ゴッドルピア
2×コッコ・ルピア(新投入)
3×龍神メタル
3×クリムゾンチャージャー
2×地獄スクラッパー(新投入)
レインボー
2×神滅竜騎ガルザーク
1×暗黒王デス・フェニックス
○完全勝利へのシナリオ
今回、特にえげつない動きをするのがこれ。新規カード、【龍神ヘビィ】。
ちょっとテキストが長いですが、ご覧下さい。
龍神ヘヴィ
5マナ パワー5000+ 闇 ゴッド/ドラゴン・ゾンビ
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のクリーチャーを1体破壊してもよい。そうした場合、カードを1枚引き、相手は自分自身のクリーチャーを1体選んで破壊する。
■G・リンク《龍神メタル》または《破壊神デス》の左横(バトルゾーンに自分の指定ゴッドがあれば、このカードをリンクしてもよい。リンクしたゴッドは、各ゴッドの特性〔パワーや能力〕を持つ1体のクリーチャーとなる。バトルゾーンを離れる時は、どちらか1枚を選ぶ)
■このクリーチャーがリンクしている時、相手のクリーチャーはこのクリーチャーを可能であれば攻撃する。
問題はおもに、一番上の能力。
普通に使っても、こっち1体、相手1体のクリーチャーが破壊された上で自分は1枚ドローという、「1枚得するカード」なのですが、毎度お馴染み【凶聖王ダークヒドラ】と組み合わせると、意味不明な強さのコンボを生み出します。
【ダークヒドラ】がいる状態で、【ヘビィ】を出し、【ヘビィ】自身を破壊します。
相手にも自分のクリーチャーを破壊してもらい、1枚ドロー。
そして【ダークヒドラ】の効果で、さっき破壊した【ヘビィ】自身を墓地から手札に戻します。
以下、繰り返し。
【ゴッドルピア】がいれば上記のループが4マナで。
【コッコ・ルピア】がいれば3マナで、何度も何度も相手クリーチャー破壊、そして1枚ドロー!という、地獄のようなコンボが好きなだけ楽しめます。
そりゃあ、これだけで勝てますわ。
相手にクリーチャーがいなくても、ドローしまくれるだけでもう楽勝。相手がクリーチャーを召喚しないなら、引いた手札破壊を叩き込むまで。
出したら破壊、手札に持ってても手札破壊。そのまま大群で一斉攻撃して勝っても良し、運よく引いたら【デスフェニックス】で安全にとどめても良し!
○各カードの仕事&他のゼロデッキとの闘い方
まずは新規投入したカードから。
■エース!!【解体人形ジェニー】
ライバルとなるゼロデッキ達全てに効くのが、何といってもこの【ジェニー】!
相手の手札を確認した上で、もっとも危険なカードを叩き落し、相手を「事故らせる」事ができます。
よく、序盤にジェニーで動きを鈍らされた対戦相手が、
「ううーん、デッキの回りが悪いなぁ」
と言い始める事がありますが、「デッキの回りが悪い」のは、ジェニーが効いているからなんですよね。
良くできたビクトリー・ソウルデッキには、【ストリーミング・チューター】が入っていたりしますが、それを使われる前に叩き落したり、【バジュラズソウル】を叩き落したり。(【バジュラズ・ソウル】は、【コッコルピア】から【龍神メタル】につないで破壊できるなら、あえて出させるのも良し)
バイオレンス・エンジェルに対しては、実は【ヘブンズゲート】は放っておいて(後から【龍神ヘビィ】で処理できる事多し。)ドローカードを落として相手をジリ貧にしておくのがおすすめ。
ヘブン・オブ・ドラゴン相手なら、言うまでも無く【バルガゲイザー】か【インフィニティ・ドラゴン】を落としておくべきでしょう。
難しいのがキャッスル・オブ・デーモンで、おそらくは除去カード(【デススモーク】等)を落としておくべき。なぜなら、後からこちらの出す【ダークヒドラ】を除去されると、【ヒドラ】【ヘビィ】のコンボができなくなるからです。
どのデッキにも除去カードは入っているでしょうが、“キャッスル”ほど数は多くないでしょうから、後から(ヒドラを出す前)に改めて手札破壊しても良いでしょう。
【スケルトン・バイス】は殿堂入りしている強力な手札破壊ですが、ここでは【ジェニー】を優先。
ゼロデッキデュエルでは、キーカードの枚数が限られているし、墓地に落ちたカードをリカバーしにくいため、
「枚数のアドバンテージよりも、“キーカードを失うことと、手札を見られる事による戦術的な猶予を失うディスアドバンテージ”の方がはるかに大きい」
からです。
・・・物凄く難しい事書いてるなあ。
あと、良く改造された“ヘブン・オブ・ドラゴン”には、【ザークピッチ】が3、4枚入っているので、そういう意味でも【スケルトン・バイス】は危険です。
■最終コンボの主役【凶星王ダークヒドラ】
上記【龍神ヘビィ】とのコンボは、ぜひ一度体験してみて欲しいコンボです。
今までの、ダークヒドラを使った
「【ディオライオス】回し」
「【オルゼキア】回し」
を超える使い勝手の良さ。強さ。
正直、【龍神ヘビィ】がこのセットにしか入っていない事(そして【ダークヒドラ】も基本はプロモである事)に恐怖を覚えるほど。さっきも書きましたがスーパーデッキの定番化が望まれます。
ゼロデュエルルールでは、新しく投入できるカードは10枚なので、本当は【ダークヒドラ】ももっと入れたいところですがここは2枚で。
【コッコルピア】【地獄スクラッパー】の枚数を調整して、【ダークヒドラ】を3枚にするのもありでしょう。
■【ゴッドルピア】だけでは遅い!【コッコルピア】加速!
残念ながら【ゴッドルピア】では、相手が最速で【バジュラズソウル】をジェネレート&クロスしてきた時に、【龍神メタル】を召喚するのに間に合いません。
3ターン目【青銅】、4ターン目【バジュラズソウル】5ターン目クロスしてアタック、という最悪のシナリオに、半分の確率(先行取れる率)ででも間に合わせるには、こちらの先行5ターン目に【メタル】を召喚し、【バジュラズ】をジェネレートした次のターンに叩き割るしかありません。
(そりゃ【ゴッドルピア】【コッコルピア】【メタル】と4ターン召喚も可能ですが)
【コッコ】を引かなかった場合は、2ターン目【ゴッドルピア】4ターン目【クリムゾンチャージャー】、5ターン目【メタル】でも間に合いますが、間に合うルートが多いに越した事はありませんからね。
そこまで徹底して「最速バジュラズソウル」に対抗しなければならない理由は、皆さん充分ご存知でしょう。
言うまでも無い事と思います。
また、【コッコルピア】の投入により、ヒドラ&ヘビィのループが随分と軽くなっていたり、ドラゴンの展開が早まっていたり、【デスフェニックス】がより出しやすくなっていたりと、色々と便利になっています。
■やはり安心【地獄スクラッパー】
「またかよ」という感じですが、強いんだから仕方が無い。このままだとこのデッキ、本当にビートダウンに弱いので(特に速攻系にチューンされたビクトリー・ソウルとかに)、トリガー率を少しでも上げておく必要があります。
間に一回【クリムゾン・チャージャー】を挟んでおくと、7マナは意外と早く打てたりします。
ここからは、元々入っているカードの解説。
■見事なバイプレイヤー【黒神龍ドボルザーク】
相手の攻撃をちょっと止めたい!と思えるターンに出せるブロッカーでありつつ、かつ、逆転の一手を持ってこれる中つなぎに最高なクリーチャーカード。しかもドラゴン!
・・・あとパワーが1000高ければ、【バルガゲイザー】と相打ちできたのが残念ですが、贅沢は言えません。
持ってこれるカードに縛りはありますが、ブロッカー能力の付いた【ギガホーン】だと考えると、その優秀さが解るというもの。
今後様々なデッキで見かけることになるでしょう。
・・・・このデッキ、五つぐらい買っておかないとイカンのじゃなかろうか。
■コイツはマジでヘビィだぜ。【龍神ヘビィ】
強いです。もう、本当に。
単体の能力(絶対に1枚得をする)だけでも強いのに、闇文明最強カードと昔から誉れの高い【ダークヒドラ】と最高の相性。
また、相棒の【メタル】も、場に出た時に発動する絶対に無駄にならない能力を持っているため、【ヘビィ】&【メタル】のゴッドはマジで最強レベル。
今までのほとんどのゴッドのように、
「リンクするまではほとんど役立たず」
では無いところが、使いやすすぎます。
アタックしてタップしていると、相手クリーチャーがコイツに突撃してくれるのも面白いですしね。
■新たな「【母なる大地】で出し入れしたいクリーチャー」【龍神メタル】。
今後、ゼロデュエル以外でも良く見かけることになるでしょう。
クロスギアを出すデッキに有効で、相手がクロスギアを使わないならマナ破壊。
【母なる大地】で何度も出し入れされる姿が目に浮かびます。
【ザールベルク】等より2ターン早いし。
○抜いたカード達解説
戦力外通知を受けた、
「抜かれた10枚のカード」
を、なぜ抜いたか解説。
ここまで読んで下さった皆様には蛇足かもしれませんが、一応説明。
■【邪魂創世】(2枚抜いた)&【封魔魂具バジル】(4枚全抜き)
まず、生贄にしたいカードが【バジル】だけである事。
また、【バジル】で破壊できるクリーチャーが、ゼロデュエルではそれほどおらず、しかも必須では無い事。
続いて、【バジル】での手札破壊は相手が選ぶため、ほとんどダメージにならない事。(ドローサポートさえ捨てなければ失った分は取り戻せるし、大喜びで【ザークピッチ】を捨てられても・・・)
そして何より、
「ドローは【ヘビィ】か、【ダークヒドラ】の回収能力で充分」
なためです。
2枚残っていますが、場合によっては【ジェニー】辺りを破壊してドローを稼ぐと良いでしょう。
もう一回【ジェニー】を出すと、【ヒドラ】で墓地の【ジェニー】を回収して・・・おお怖。
■【神滅竜騎ガルザーク】1枚抜き
パワーアタッカーで【シリウス】をブチ抜き、「アタックされない」のがまた強く、フィニッシャーの資格十分の【ガルザーク】ですが、やはり「必須」なカードではありません。
■【黒龍王ダークジオス】1枚抜き
面白い能力ですが、破壊能力は【ヒドラ】&【ヘビィ】の方が遥かに上です。
■【炎獄スマッシュ】1枚抜き
良い除去なので、2枚は残していますが、他のカードを優先する事で1枚抜けました。
■【破壊神デス】1枚抜き
夢だけでは勝てないのが非情のデュエル。(笑)
もちろん、出たら強いです。
でも、出さなくても勝てるなら、それは「必要なカード」ではないですね。
○ゼロデュエル用ではなく、本気で組むなら・・・・
とかく、“ヒドラ&ヘビィ”のループが確実に狙え、かつ、手札破壊もループできるようにすればかなり恐ろしいデッキになるでしょう。
【ブラッディドラグーン】を【ピエール】にして、【ジェニー】と同じデスパペットにすれば、【ヒドラ】での回収も楽になります。
出した【ジェニー】は【邪魂転生】で破壊。ドロー&回収。これは鬼畜です。
こんな感じでしょうか?
ヘビィ・メタル本気バージョン“無限破壊”
4×死劇人形ピエール
4×解体人形ジェニー
3×黒神龍ドボルザーク
4×龍神ヘビィ
3×凶星王ダークヒドラ
4×邪魂創世
4×デーモンハンド
火
2×ゴッドルピア
4×コッコ・ルピア
2×龍神メタル
2×ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン
2×クリムゾンチャージャー
2×地獄スクラッパー
フィニッシャーはやはり【ボルメテウス】。
アーマードドラゴンなので、【メタル】と同じ。【ダークヒドラ】で回収できます。
思わず【ダークルピア】を入れたくなりましたが、このデッキには必要ありませんでした。
○最後に
おそらくですが、このセットを買っておかないと、今後ゴッドデッキや黒入りのドラゴンデッキは組みにくくなる事確実です。
「新弾のカードには新しい魅力があるか、強くなければ買う意味が無い」
ので、新セットに強いカードが入るのは大歓迎なんですが、こうしたすぐ売り切れる構築デッキに「新録の強力なカード」が入る事は今後の問題になったりするかもしれません。
スーパーデッキゼロによって、DMの再ブームが来たことを否定する人は、流石にもう居ないでしょう。
ですが、初心者の良い入り口になっているこのゼロデッキが、「限定発売で、2度と手に入らない物」になってしまうと、持たざる者と持つ者の格差がより大きくなり、この後から入ってくる人々を締め出してしまう害悪へと早代わりします。
スーパーデッキは、良いものです。この強力なデッキによって初心者も「勝つ事」を覚え、ゲームの楽しさに気付く事ができました。
で、あれば、続ける事に意義があると思うのです。遊戯王のストラクチャーデッキが、
「いつでも始められる遊戯王の入り口」
として、数年前から常に新規層を取り込む手段となってる事からも、
「強力、かつ、いつでもお店においてある構築デッキは、常に新規ユーザーを増やし続ける原動力」
となっているのは間違いありません。(D0の“スナイパー”“ドライバー”もまさにそれです。)
ゼロデッキが、
「限定商品であったからこそ売れた」
という風な判断をされず、
「良い商品であったからこそ売れ、その上さらにユーザーを増やす事にも貢献した、今後常に定番化すべき商材」
と判断され、量産化される事を心から願っています。
まだ、僕の店には在庫がありますが、このまま市場から無くなっていくと、プレミア価格を付けざるを得ない状況になってきます。
そんな小さな儲けより、ゼロデッキが量産されて、DMを始める人が増えてくれる方が、ありがたいと思うのです。