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【音楽の政治学】バレンボイムの“正論” パレスチナ (2/2ページ)

2008.1.26 18:41
このニュースのトピックス音楽の政治学
1月12日、パレスチナ自治区ラマラで開いたコンサートで、ベートーベンのピアノソナタを弾くダニエル・バレンボイム氏(村上大介撮影)1月12日、パレスチナ自治区ラマラで開いたコンサートで、ベートーベンのピアノソナタを弾くダニエル・バレンボイム氏(村上大介撮影)

 12日のリサイタルは、ドイツの篤志家たちからパレスチナにコンサート・ピアノが寄贈されたのを記念したもので、バレンボイム氏はベートーベンのソナタ3曲を演奏し、席上、パレスチナ自治政府から氏に「名誉市民権」と「パレスチナ旅券」が授与されたことが公表された。

 バレンボイム氏は演奏後の記者会見で、「音楽は政治的問題を解決できない。だが、知ること、理解し合うこと、それがなければ何も始まらない」と共存への信念を改めて強調した。

 最近は、音楽の活動拠点でも闘っている。冷戦の名残であるベルリンの東西3つの歌劇場の統廃合問題では、「ドイツ人は『首都』が何たるかを分かっていない。ベルリンはかつてビスマルクとヒトラーが支配した。この街が(旧東西ベルリンの雰囲気を残す)多様な音楽文化を失えば(文化の薫りが薄い巨大商業都市の)フランクフルトと同じになってしまう」と叫ぶ。

 戦後約60年たった今も反ユダヤ主義の苦い記憶とナチス問題を克服しきれていない首都でのこうした主張は、ドイツ人の耳にどう響いているのだろうか。

(ヨルダン川西岸ラマラ 村上大介、ベルリン 黒沢潤)

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1月12日、パレスチナ自治区ラマラで開いたコンサートで、ベートーベンのピアノソナタを弾くダニエル・バレンボイム氏(村上大介撮影)
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