IKAN logo 2007.7.18
イルカの捕獲枠が1993年以来、14年ぶりに見直された


水産庁より入手した新しい捕獲枠は、別表のとおりである。

この2年間、水産庁はIKANの質問に対して と答えてきた。一方で、これまでの調査海域がニタリクジラ対象の調査に依存し沿岸のイルカを対象とした場合は不適切であり、イルカに特化した調査が必要と語った。そして、昨年やっと、イルカに関する目視調査が2度行われた。

この調査結果に関しては、水産庁は、イルカ調査は数年かけて行うもので、まだ端緒。としている。
にもかかわらず、新たな捕獲対象種を付け加えるなど、減少が懸念される種に関しても、ほんの少し数合わせしただけでほとんど変わらず、また実績のないものに関しても取り消す代わりに数を減らすということで決着をつけたようだ。

その典型が富戸と太地で、富戸に関しては、旧枠が設定されて一度も捕獲実績のないマダライルカ、スジイルカの捕獲枠が残っており、その上カマイルカと1996年に違反捕獲したオキゴンドウの枠まで付け加えられている。地元で新たに起こっているイルカウォッチング産業を否定するような結果となっている。

一方の太地においても、調査捕鯨肉とのバッティングとハクジラの化学物質汚染への懸念でイルカ肉は販売不振に陥り、残った肉を学校給食に入れたり、中国に販売しようとしている状態であるにかかわらず、捕獲総数が増やされているのである。

新たな調査が始まり、データが蓄積されその結果がでたというのであればまだ納得がいくだろうが、これまでの調査結果の延長での新枠設定は、不可解で、到底納得できるものではない。

また、カマイルカは昨年のパブリックコメントで意見提出した全員が捕獲対象種にすることに反対している。しかも2005年の推定数は信頼性にかける(CV0.8で一番不確実性が高い)ものであり、いまここでなぜ設定するのかまったく理解できないものだ。

図らずも今年は国連の定めたイルカ年。小型鯨類が混獲、船との衝突、海洋汚染、そして漁業によってその生存に大きな懸念があるということからイルカを国際的に保護しようと設定された年である。
http://www.yod2007.org/

国際世論に逆行するような水産庁のあり方を即刻改めてほしいものである。

2007-2008イルカ捕獲枠

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