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施設の犬猫に3日分のえさ代補助 国、収容即処分を防止

2008年01月26日15時07分

 自治体の施設に収容された犬猫に新しい飼い主が見つかった場合、国は犬ジステンパーや猫伝染性腸炎などを予防するワクチン代を負担することを決めた。また施設ですぐに殺処分されないよう3日分のえさ代も出す。新年度から初めて実施する。殺処分数が年間30万匹を超える犬猫に生きるチャンスを与え、殺される数を大幅に減らすのが目的だ。

グラフ

犬猫の殺処分の推移

 全国の自治体では06年度、11万8000匹の犬と23万5000匹の猫が、殺処分された。飼い主の都合で保健所に引き取られたり、捨てられたりした犬猫が大半だ。

 これまで動物保護団体と協力して、新たな飼い主を探す譲渡会を開く自治体もあったが、対応はバラバラで譲渡数は伸び悩んできた。06年度、新たな飼い主が見つかった犬は1万4000匹、猫は4800匹にすぎなかった。収容された犬猫は飼い主が名乗り出なければ、2〜3日以内に殺される例が少なくない。

 このため環境省と厚生労働省は昨年、全国の自治体に収容の期間を延ばすなどして「できるだけ、(殺さずに)生存の機会を与えるよう」要請、指導する文書を出した。さらに政府は25日、地方交付税法を改正して、新年度、3億5000万円を確保することを閣議決定した。

 これにより国は、引き取り先が決まった犬猫に1匹あたり、2300円の混合ワクチン代を負担する。引き取り先で、健康に生きられるようにするためだ。また、新たな飼い主に出会う機会を広げるため、収容施設に来てから3日分のえさ代も負担する。

 これらの施策は、愛犬家の松野頼久衆院議員(民主)が環境委員会でたびたび提案してきた。今後10年間で、犬猫の殺処分数の半減目標を掲げる政府も、新たな発想と対策が必要と判断し、導入を決めた。

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