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ウイルス亜種100種作成 多重感染型も 大学院生供述

2008年01月25日16時31分

 ファイル交換ソフト「Winny」(ウィニー)を使って大学院生がアニメ画像を無許可で使用した事件で、著作権法違反容疑で逮捕された中辻正人容疑者(24)=大阪府泉佐野市中庄=が京都府警の調べに対し、約100種類に及ぶ「原田ウイルス」の亜種について「すべて自分がつくった」と供述していることがわかった。中には、一度感染すると新たなウイルスに「多重感染」するタイプもあるという。

 府警の調べなどによると、中辻容疑者は元となる原田ウイルスや逮捕容疑となった「クラナドウイルス」のほか、感染すると「北斗の拳」や「らき☆すた」などの人気アニメの画像が表示されたり、個人情報を流出させたりする約100種類の亜種を作っていた疑いがある。

 亜種の中には、ウィニー利用者がダウンロードしたファイルを開くと、中辻容疑者が作成したホームページに自動的に接続し、新たなウイルスに感染させるタイプもある。利用者が異常に気づいて電源を落としても、再び起動した際にパソコン内のデータを破壊する仕組みになっていたという。

 感染した際、京都府警の電話番号が画面に表示される亜種も確認されている。同府警は04年にウィニーの開発者を著作権法違反の幇助(ほうじょ)容疑で逮捕するなど、情報技術分野の捜査に力を入れてきた。府警幹部は中辻容疑者が、大量のウイルスを流布させて警察を挑発していた可能性もあるとみている。

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