第5回 寝てられない
糸井 考えてみると、さんまさんは、
人が寝ないあいだに、
いろんなことをやってるんですね。
その量って、すごいですよね。
さんま まぁ、そうですね。
糸井 テレビ見たり、しゃべったり、
麻雀やったり、考えたり、
さまざまなものに出会って、
考えたり、改良したり、鍛えたり。
それって、まぁ、かっこよくいえば、
人よりもたくさん旅をしてるとも言えるわけで。
さんま ふふふふふ、
まぁ、そうですかね。
糸井 思えばね(笑)。
さんま 思えば(笑)。
いつからそうなってしまったのか。
糸井 もともとそういう人だったとはいえ、
芸人になったことで
拍車がかかったわけでしょう?
さんま そうですねぇ。
麻雀なんかは、流行りですからね。
時間がかかるのに、
もう、みんなで、毎日、日常のようにやってる。
糸井 ああ、はい。
さんま で、当時は若い。仕事もある。
日に劇場2本、レギュラー14本‥‥。
糸井 (笑)
さんま で、終わったら、麻雀。ギャンブル。
そこへきて、女にもてる。
糸井 なるほど。
さんま それはねぇ‥‥寝てられない。
糸井 寝てられない(笑)。
さんま そんなねぇ、寝てられないですよ。
一同 (笑)
糸井 そうですね、そうですね(笑)。
さんま 動物は楽しいほうに飛びつくと。
糸井 気持ちのいい側に行くんですもんね。
さんま 絶対、そうです。
糸井 そうですよね。
さんま 我慢できないです、そこはね。
糸井 麻雀なんかもあれでしょう?
ぼくは、麻雀じゃなくて、
モノポリーにハマってたことがあって。
さんま はいはい。
糸井 まぁ、あれはギャンブルじゃないんですけど、
やっぱり、はじめると夜通しで、
「じゃあな」って別れるのは
だいたい朝の8時でしたね。
さんま でしょう?
そうなりますよね。
糸井 はい。
「もう1ゲーム」って言ったら、
90分かかりますからね。
さんま はいはいはい。
糸井 で、終わってから感想というか、
しゃべりはじめたりしてね。
「あんときのあれさぁ」って(笑)。
さんま そこ、興奮してるわけでしょ。
糸井 興奮してます。
さんま 頭がね、ハイのままなんですよね。
さんま 勝負が終わったあとに、
帰ってから、もう1回、
流れを再現してみたりしてね。
糸井 あー、そんなことまで。
さんま そういうふうにして、
流れとかをずっと考えてると、
どんどん研ぎ澄まされてくるんですよ。
糸井 なんですか、あの、
いつもと違う脳がビリビリ動くんですよね。
さんま 動いてますね。
糸井 きっと、危険な状態になったときに
オンになるスイッチが入っちゃうような
ことなんじゃないかと思うんですけどね。
さんま でしょうかねぇ。
糸井 「危ないぞ!」って
なにかが呼び覚まされるような。
ギャンブルって、危険なことといえば、
危険なことですからね。
だから、火事場の馬鹿力を、
自在に出す、みたいな。
さんま ああ、なるほどねぇ。
そういうのがあるのかもしれません。
昔はパチンコなんかもやってたし。
糸井 ああ、パチンコも出ますねぇ、
アドレナリンなんだか、なんなんだか。
さんま はいはい。
もう、ハマってるときはね、
わずかな時間で寝ようとしても、
こう、畳一畳ぐらいの麻雀パイが、
天井から落ちてくるんですよ。
糸井 それは‥‥大きいですね。
一同 (笑)
さんま パチンコのときはねえ、
畳一畳ぐらいのチューリップが
パッカァと開いたりねえ、そういう夢を。
糸井 畳一畳からは、はみ出ないんですね、どうも。
さんま はみ出ない。
一同 (爆笑)
さんま 見事に畳一畳なんです。
糸井 そんなもんなんですね。
さんま やっぱり人間って、不思議なもんでね。
糸井 うん。基準があるんだ。
さんま はい。見事に、畳一畳なんですよ。
糸井 はははははは。
さんま クワー(笑)。
  (続きます)

2008-01-24-THU

(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN