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【国際】

エジプト境界の壁爆破 ガザ住民数万人が流入

2008年1月24日 朝刊

 【カイロ=浜口武司】イスラエルによる検問所の封鎖で極端に生活物資が不足しているパレスチナ自治区ガザとエジプトとの境界の壁が23日、パレスチナ人武装グループにより爆破され、数万人のガザ住民がエジプト側へ流入した。住民らはエジプト側でガソリンや生活必需品を買い集め、ガザへ戻っている。AP通信などが伝えた。

 武装グループは同日未明、エジプトとの境界にあるラファ検問所近くの高さ約8メートルの金属製壁を少なくとも15カ所で爆破。さらにブルドーザーなどで壁を大きく破壊、越境を助けた。

 エジプト治安当局は、境界付近に多数の部隊を集結させたが、実力阻止には出ていない。中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、ムバラク大統領が静観を命じたという。エジプト側は昨年6月にイスラム原理主義組織ハマスがガザを武力制圧してから、検問所を封鎖した。ただ、同じアラブ人であるガザ住民への同情心は強い。

 エジプト側へ流入した住民らは、ガソリンや軽油のほか、医薬品や粉ミルク、たばこなどを買い集め、荷車に積みガザへ戻っている。ラファ近郊では品切れする店も出ている。住民の中には重度の病人も含まれ、境界から約40キロ離れた町の病院に向かったという。

 地元ジャーナリストによると、壁の撤去を知ったガザ住民が続々とラファへ向かっており、混乱はしばらく続きそうだ。

 ハマスは境界壁の爆破への関与を否定しているが、「壁の破壊はイスラエルによる封鎖で住民らが被っている悲惨な状況の反動だ」として、理解を示した。

 イスラエルは17日から、武装グループによるロケット弾攻撃に対抗して全検問所を封鎖。20日には発電用燃料が底を突き、大規模な停電が起きるなど、住民生活は困窮していた。

 イスラエル政府は22日、発電用燃料などの供給を部分的に再開したが、生活必需品の不足が物価の高騰を招くなど、住民生活は日々悪化している。

 

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