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大阪府知事選

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’08大阪府知事選:告示 自公と民主、衆院選へ民意探る

 大阪府知事選が10日、告示された。弁護士、梅田章二氏(57)=共産推薦▽タレントで弁護士、橋下徹氏(38)=自民府連推薦、公明府本部支持▽元大阪大大学院教授、熊谷貞俊氏(63)=民主、社民、国民新党推薦=の事実上3人の争いとなる。大阪では33年ぶりに国政の与野党3極の戦いとなった。年内に予想される衆院選をにらみ、国政と同じ対立の構図が地方にも波及した形だ。そして、各党の思惑が複雑に絡み合う。

 ◇連敗恐れ後方支援--自公/独自候補で攻める--民主

 ◆地方でも対決型

 1月4日。大阪市で開かれた「大阪新年互礼会」(府、関西経済連合会など主催)。関西政財界から約3000人が集まる中、熊谷氏が現れた。「頑張って下さい」。熊谷氏に名刺を差し出したのは、創価学会の西口良三総関西長。学会が支援する公明府本部は橋下氏を支持するだけに、自公関係者は衝撃を受けた。

 大阪の知事選は1979年以降、共産対非共産の構図となった。相乗り候補を財界と労働界が支え、創価学会が両者の「つなぎ役」を果たした。このため、太田房江知事の3選出馬の断念後も、引き続き相乗りを期待した。しかし、民主の小沢一郎代表が「相乗り禁止」を指示。財界にもパイプがある熊谷氏は「自民や公明が乗りやすい候補」(自民府議団幹部)だったが、自民が焦って、先に出馬の意向を示した橋下氏に飛びついた。

 大阪では社公民路線の名残で、民主・公明の選挙協力が水面下で行われている地域もある。しかし、中央の自公対民主の対決構図が波及、昨年4月の統一地方選では民公から自公へのシフトが進んだ。

 大阪市長選(昨年11月)に続き、知事選は与野党対決型となった。中央政界の対立構図は今後も同様とみられ、民主に候補擁立の力がある地方では、対決型の知事選が定着する可能性もある。

 ◆幹部応援も対照的

 「橋下氏は幅広い支援が得られる。後ろから応援するのがいい」。自民の菅義偉選対副委員長は語る。党本部レベルの推薦を見送った自公は「政党隠し」戦略を徹底し、幹部の応援演説は控える。

 投開票日の27日は通常国会の審議が本格化するタイミングで、負ければ、民主が勢いづく。政党色を薄めるのは敗北時のダメージを最小限にする思惑からだ。大阪入りした自民幹部は、財界に支援要請するといった「地下活動」に専念する。

 一方、民主は「次期衆院選の前哨戦」と位置づけ、攻めの選挙に徹する。10日の菅直人代表代行に続き、11日には小沢代表も大阪入り。全国会議員にも最低1回は応援に入るよう指示した。小沢氏は、選挙結果の政局直結を強調している。【石川隆宣、犬飼直幸、野口武則、渡辺創】

 ◇「大阪出身」「民間人」こだわり

 官僚出身の知事が全体の約6割を占める中、自民、民主両党が候補者探しでこだわったのは「大阪出身の民間人」だった。太田知事は、広島県出身の元通産官僚。「大阪は嫌い」などと言ったこともある。

 3人とも大阪に縁が深い。橋下氏は東京生まれだが、父を亡くし、小学生の時に大阪市の府営住宅に移った。熊谷氏は、大阪府豊中市出身で、兄信昭氏は元阪大学長。梅田氏は大阪市出身の弁護士で、西淀川公害訴訟を担当するなど、公害問題に取り組んでいる。

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 ◇届け出は5人

 10日告示された大阪府知事選は同日午後5時で立候補の受け付けを締め切り、無所属の5人による選挙戦が確定した。

 ◆大阪知事選立候補者(届け出順)

梅田章二(うめだ・しょうじ) 57 弁護士     =無新[共]

橋下徹(はしもと・とおる)  38 弁護士     =無新

熊谷貞俊(くまがい・さだとし)63 [元]阪大院教授=無新[民][社][国]

杉浦清一(すぎうら・せいいち)59 保護司     =無新

高橋正明(たかはし・まさあき)65 [元]中学校教諭=無新

毎日新聞 2008年1月11日 大阪朝刊

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