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糸井 |
さんまさんのような生活は、
マネしようと思って
マネできるものではない、と。 |
さんま |
あの、まず、大きく間違ってるのは
寝ないんじゃなくて、
僕は寝れないっていうことでね。 |
糸井 |
ああ、そうですね。 |
さんま |
どうも、そこを誤解している人が多い。 |
糸井 |
あの、「寝られない」っていう人は
ふつう、もっと悩んでるんですよね。 |
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さんま |
クワー(笑)。 |
糸井 |
お医者さんとかに相談してね、
「あの、先生、ぼくは寝られないんですよ」
「それは困りましたね」っていうふうに
ふつうはなるはずなんです。
ところがさんまさんは、生き生きしてるから。 |
さんま |
クワー(笑)。 |
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糸井 |
まあ、あの、さんまさんは
とくに心配はしてないでしょうけど、
いちおう安心させるようなことを言うと、
ぼくも、この特集を通じて、
多少は眠りについて勉強したんですけどね。 |
さんま |
はい。 |
糸井 |
睡眠時間3時間ぐらいの人っていうのは、
あるパーセンテージでけっこういて、
けっきょく、DNA、遺伝なんですって。 |
さんま |
はぁ、なるほど、なるほど。 |
糸井 |
で、そういう、遺伝的に眠れない人は、
3時間しか寝られなくても
本当に平気なんだそうです。
たとえ、「目を閉じて眠る」ということを
あんまりしていないとしても、
どこかで体は自然に休みを取って、
うまく取り戻してるんですって。 |
さんま |
なるほど、なるほど。 |
糸井 |
寝られないんだって悩んでる人も、
じつはふつうに暮らしていけるはずなんだと、
睡眠を研究している人が言ってました。
だから、さんまさんも、ほんとは
睡眠導入剤も要らないのかもしれない。 |
さんま |
ああ、そうなんですか。
いや、でも、ぼく、
睡眠導入剤飲まなかったら、
まる2日間くらい、
ずっとハイテンションな状態で
暮らすことになりますよ。 |
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糸井 |
本当にそんななんですか(笑)。 |
さんま |
ええ。
だから、寝れないっていうほうが正しい。
これもう体がそうなってしまってるから。 |
糸井 |
わかいころはどうだったんですか。
学生時代とかは。 |
さんま |
いや、学生時代は、そりゃ‥‥
学生時代も寝なかったですけど。 |
糸井 |
昔から(笑)。 |
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さんま |
睡眠時間はかなり少なかったですねぇ。
やっぱり、しゃべるのが好きで、
つねにおもしろいことを
考えようとしてるから、
いっつもテンションが高いんです。
で、それがウケると、こう、
もうひとつ、入るんですよね。 |
糸井 |
スイッチが入って、
つぎのレベルに。 |
さんま |
ええ。だから、中学校時代から、
いや、まあ、小学校時代から。 |
糸井 |
ずっと(笑)。 |
さんま |
ええ。ネタみたいなことつくったりして、
人前でそれをやってるウケることが、
やっぱり影響してるんですね。
で、遺伝とおっしゃいましたけど、
うちの親父がやっぱりそういう性格なんです。 |
糸井 |
あー、そうなんですか。 |
さんま |
いや、ずっとしゃべってるとか、
そういうことじゃないですよ。
親父は、まぁ、生活のためにね、
寝ないでがんばるような人で。 |
糸井 |
ほう。 |
さんま |
奈良で水産加工業をやってまして、
さんまをひらきにして、
新聞紙を詰めて、水分をとって、
それを大阪の中央市場に卸さなきゃいけない。 |
糸井 |
なるほど。 |
さんま |
夜の11時までかかって裏山で荷を積めて、
で、3時ぐらいに起きて、
大阪に持って行くっていう生活をしてて。
やっぱり3時間くらいしか
寝てなかったと思うんですよね。 |
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糸井 |
ああ、じゃあ、もうそこは同じなんですね。 |
さんま |
ええ。だから、いま、
遺伝、DNAと聞いて、
ああ、なるほどなとは思いましたけど。 |
糸井 |
ネタを考えたりしてるわけじゃないけど。 |
さんま |
むこうは生活のためなんですけどね。
親父は、おじいちゃんの仕事のミスで
奈良に移らざるをえなかったという人で、
そのミスを挽回するために
そういう生活をしてたんですよ。
で、こっちは、まあ、
学校でみんなを笑かさなきゃいけないという
使命を勝手に背負ってますから。 |
糸井 |
ふはははは、ま、目的は違うけども、
ベクトルとしては似ている。 |
さんま |
うん。だから、そこ、そこだと思う。 |
糸井 |
さんまさんの場合はそれが
「笑かすこと」に向いちゃっただけで。
じゃあ、あれですね、
もともと、できる子だったのが
適職を見つけちゃったんだね。 |
さんま |
そうそうそう、適職。
いや、そうですかね? |
一同 |
(笑) |
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(続きます) |