大阪府枚方市の枚方簡裁の簡裁判事(60)が昨年10月、神戸市内の風俗店で女性店員にけがをさせたなどとして書類送検されていたことがわかった。
店側と示談が成立したため、神戸地検は強制わいせつ致傷罪の成立を認めたうえで、不起訴処分(起訴猶予)とした。
簡裁判事は反省していたといい、大阪地裁は懲戒処分ではなく厳重注意とし、簡裁判事は依願退官した。退職金は支給される。
大阪地裁などによると、元簡裁判事は休日だった昨年10月6日夜、神戸市内の風俗店で、20歳代の女性店員の唇を強くかんで数週間のけがをさせ、わいせつ行為をしたとされる。
関係者によると、女性店員から被害の訴えがあり、女性店員の唇から血が出てはれていたことを確認。店側が同日、元簡裁判事を連れて近くの警察署に届け出た。後日、元簡裁判事は店側と女性店員に謝罪、計170万円を支払うことで示談したという。元簡裁判事はその後も出勤していたが、同月15日、風俗店で騒動を起こして店員にけがをさせたことを大阪地裁に報告。その後、自宅待機となった。
神戸地検の不起訴処分後の11月16日、大阪地裁は「懲戒処分には該当しない」として厳重注意とし、元簡裁判事は同日、退官した。店側関係者は「謝罪を受け、初めて職業を知った。裁判官でもこんなことをするのかと思った」と話していた。
裁判官分限法に基づく懲戒処分としなかった理由について、大阪地裁は「責められるべきトラブルだが、示談成立などを総合的に判断した」と説明している。
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