学研の発売した地球儀は、ご多分にもれず「中国製」。そのため、中国政府からの圧力で「台湾」を「台湾島」と表記した。ついでだが、北方領土も「ロシア」になっていた。そして、それがこの1月10日に「発覚」。そんな記事があちこちの新聞に載った。また、この地球儀は付属のペンで地球儀上を押すと、そこがどこの国かを「しゃべる」機能がある。そして、台湾を押すと「中華人民共和国」と「しゃべる」のだ。
これが発覚した直後、この地球儀の発売元である学研の子会社、そしてタカラトミーの二社は、いずれも製品の発売中止と回収を発表。各々のホームページにも製品を買った方には実費で買い戻すむねが書かれている。
しかし、それがなぜ「発覚したのか?」については、実はどの新聞も書いていない。また、「多くの抗議」とは言うが、なぜその情報が社外に出て、報道のレールに乗ったのか?
実は、ここからが「なんか変」なのだ。
なんと、どの日本の新聞も「中国政府の言い分」として「台湾は中国の領土だから当然」という見解を載せた。日本政府としては、中国の主張する「台湾も中国」という主張を追認はするものの、「台湾」の表記はあくまで「台湾」である。
しかし、この問題はどうやって「発覚」したのだろうか?記事によっては「多くの問い合わせがあった」と書いてあるが、当の台湾の政府はどうしたのだろうか?
こたえはここにあった。現台湾政府の日本大使館の役割を負っている
「台北駐日経済文化代表処」のプレスリリースを見ると、この問題は台湾政府からの抗議で大きく取り上げられ表面化したことがわかる。
しかし、日本の新聞はどこもこの「抗議」のことを書かない。それどころか、そこに載っているのは「中国政府の見解」ばかりで、この代表処の抗議の内容やそれがあったことすら、書かない。調べたら、それについて書いているのは夕刊フジだけだった。
さらに時系列を追ってみる。産経新聞の最初の記事が10日朝。その日のうちに、代表処が抗議。さらにその日のうちに、販売元各社の「お詫び」「回収」の発表。まさに、電光石火のこのスピード。そして、中国政府がこれについての見解を発表したのが10日の遅い時間。つまり、報道各社の中国政府の見解の記事は翌日11日午前中にずれこんでいる。
今回は台湾の「勝ち」だ。
インターネットは、こういうとき、役に立つ。
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