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NHK記者らに課徴金 監視委、命令勧告へ

2008年01月18日15時57分

 NHKの記者ら3人の職員によるインサイダー取引問題で、証券取引等監視委員会が、金融庁への課徴金納付命令勧告に向けて調べていることがわかった。報道機関の記者に課徴金納付命令が出るのは初めて。監視委は、3人が放送前の特ダネ原稿で得た情報をもとに株取引をしたとして、証券取引法(現・金融商品取引法)違反(インサイダー取引)の疑いがあるとみており、3人に命令が出た場合、課徴金は1人当たり5万〜30万円程度になる見通し。監視委の調べに対し、2人は容疑を大筋で認めているが、1人は否認しているという。

 調べでは、3人は07年3月8日、牛丼チェーン「すき家」などを展開するゼンショー(東京都港区)が、回転ずしチェーンのカッパ・クリエイト(さいたま市大宮区、いずれも東証1部上場)と資本業務提携を結んでグループ化するとの特ダネ原稿を、放送22分前の午後2時38分から取引が終了する午後3時までの間に局内の原稿システム端末などで閲覧し、その情報をもとにカッパ社の株をそれぞれ約170万〜500万円で1000〜3000株、本人名義で購入。翌日に売却し、10万〜40万円ほどの利益を得たとされる。

 監視委は、資本業務提携が3月8日午後3時15分の公表だったにもかかわらず、午後3時に取引が終わっていた同日の出来高が前日に比べて10万株も多い17万1100株だった点などに着目し、この日の取引状況を調べていたとみられる。

 カッパ社の株をめぐっては、今回と同じ資本業務提携の情報を公表前に入手した会社役員が、4000株を665万6000円で買い付けたとして、07年11月に金融庁から44万円の課徴金納付命令を受けている。

 NHKによると、3人は報道局テレビニュース部制作記者(33)と岐阜放送局放送部記者(30)、水戸放送局放送部ディレクター(40)。それぞれ1〜5年の株取引の経験があったという。

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