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日清製粉、パスタ40%値上げへ 業務用、過去最大幅

2008年01月17日23時26分

 製粉最大手の日清製粉グループ本社は17日、3月から業務用パスタを30〜40%、「マ・マー」など家庭用パスタを15〜20%値上げすると発表した。昨年11月にも9〜20%値上げしたが、その後も原料のカナダ産小麦が高騰したためという。30〜40%は同社としては過去最大の値上げ幅だ。他の大手も同程度の値上げを検討しており、レストランでのスパゲティの値段が春から大幅に上がる可能性がある。

 同社によると、原料に使うカナダ産デュラム小麦の国際価格が、昨年8月末の1ブッシェル(約27キロ)10ドルから、今年1月中旬には22ドルと倍以上になり、「企業努力では吸収できない」という。

 カナダ産デュラム小麦は輸入小麦全体の4.6%(05年度)を占め、日本製のパスタの大半の原料になっている。製粉業界2位で「オーマイ」ブランドのパスタを売る日本製粉も「値上げは避けられない」、業界3位の昭和産業も「日清さんと同様程度の値上げを検討している」という。

 使う側の外食大手からは「この幅の値上げは悩ましい。パスタメニューの単純な値上げにはならないだろうが、付加価値をつける工夫をしながら、価格を調整する必要は出てくるだろう」(すかいらーく)との声が出ている。

 デュラム小麦は、欧州連合(EU)地域内の不作で、カナダ産に需要が集中。バイオ燃料原料への転作や、ロシア、中国などでの小麦需要の増大で、小麦全体の需給が逼迫(ひっぱく)していることも、価格を押し上げている。

 日本は消費する小麦の9割弱を輸入。ほぼ全量を政府が買い入れたうえ、小麦農家への補助金分を上乗せして民間に売り渡す。パンやうどん向けを含む大半の小麦は、4月と10月の年2回価格を改定。次の4月には20〜30%の値上げが確実視されている。一方、量の少ないカナダ産デュラム小麦は毎月の国際価格が反映される仕組みをとっている。

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