小諸市の宗教法人「紀元会」の信者による集団暴行で奥野元子さん(当時63歳)が死亡した事件で、犯人隠避の罪などに問われた奥野さんの次女の森美智子(26)と、その夫の池勇治(31)両被告に対する論告求刑公判が16日、長野地裁(土屋靖之裁判長)で開かれた。検察側は「虚偽の申告で初動捜査を妨害した責任は重い」として両被告に懲役1年を求刑した。
論告で検察側は「両被告は教団幹部の窪田康子被告(49)らの指示に従い、身代わり出頭。教団ぐるみの犯行であることを隠そうとした」と指摘。「肉親の情よりも教団の論理に従った。再犯の可能性もある」とした。
弁護側は両被告が教団から脱会する意向であることから「再犯の可能性は低い」と主張。両被告は意見陳述で今後も協力して更生していくことを誓った。
起訴状などによると、両被告は奥野さんが死亡した昨年9月25日、警察の取り調べに対し「自宅で家族で暴行した」などとうそをつき、信者による集団暴行を隠そうとした。また池被告は森被告に対する傷害容疑でも起訴されている。【川崎桂吾】
毎日新聞 2008年1月17日