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ベトナム製を「琉球ガラス」と表示は不当 業者が提訴

2008年01月17日11時06分

 ベトナム製の商品を「琉球ガラス」の名称で販売するのは産地偽装にあたるとして、沖縄県内で琉球ガラスを製造・販売する7業者が16日、同県糸満市の「琉球ガラス村」のグループ会社3社を相手取り、「琉球ガラス」の表示の差し止めと6600万円の損害賠償を求める訴えを那覇地裁に起こした。琉球ガラス村側は「商品にシールを張るなどして生産地を明確に表示している」と主張している。

 琉球ガラス村は、琉球ガラス工芸協業組合が運営するガラス製品の製造・販売施設。同組合などグループ会社は95年、ベトナムに工房を設立し、琉球ガラス職人らを常駐させて商品を製造。ガラス村でも販売している。

 原告側は「琉球ガラス村」の名称を使ったり、カタログに「Ryukyu Glass」の表題をつけたりしているのは、ベトナム製の商品を沖縄製と誤認させる不当表示にあたると指摘。ベトナム製の商品によって、原告らが琉球ガラスを販売する機会を奪われ、6600万円の損害を受けたとしている。

 県によると、琉球ガラスは県の伝統工芸製品に指定されているが、生産地などについて明確な規定はない。

 グループ3社は昨年6月、カタログなどに原産国の不当表示があったとして、公正取引委員会から排除命令を受けている。同グループ経営企画室は「排除命令を受けてから生産地をさらに明確に表示し、店舗内では放送もして誤解されないようにしている。訴訟については訴状を見た上で対処したい」としている。

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