ここから本文エリア

現在位置:asahi.comマイタウン群馬> 記事

黄色い自転車 青息吐息

2008年01月16日

写真

太田駅北口の拠点に15日午後2時すぎ、黄色い自転車は1台もなかった=太田市東本町で

 太田市が11月から始めた自転車の無料貸出制度「みんなの黄色い自転車」が苦戦している。市内の拠点から、だれでも、いつでも、手続きなしで自転車を借りられるこの制度。放置自転車の有効活用と「ちょい乗り」盗難防止が狙いだったが、現在はほとんどが行方不明で、市側は頭を痛めている。(戸梶雄一)

 黄色い自転車は昨年11月21日、東武線太田駅など市内4カ所の拠点に30台を配置した。だが、市交通政策課によると、15日現在、拠点で確認できる自転車は3台だけ。残る27台は行方不明で、貸し出し不能に近い状態となっている。

 同課によると、自転車は制度開始早々から、返却されないケースが多かった。乗り捨てられているという情報が市民から寄せられるたびに、市職員が回収してきた。

 太田市中心部から20キロ近く離れた館林市内に乗り捨てられていたこともある。また、勝手にロックキーをつけて駅前に置かれているのが見つかった例もあるという。

 小林忠明課長は「まずは行方不明の自転車を発見して、どんな防止策があるか検討したい」と話す。

 一方、太田市のお隣の桐生市では、桐生商店連盟協同組合が03年以降、自転車の無料貸し出しを行っており、現在7カ所に18台を置いている。同組合の事務局がある桐生商工会議所によると「毎月計200件程度の利用があるが、これまで自転車が行方不明になったことはない」(商工課)と言う。

 同課によると、桐生の場合、自転車を借りる度に、各拠点で住所氏名や用途、返却予定場所を申込書に書き込んで、その場で担当者に手渡すことになっており、乗り捨て抑止につながっているのではないかと見ている。

 太田市の清水聖義市長は「なくなるから利便性を下げて、手続きを厳格化するということにはならない。制度が定着し、市民の理解が進めばマナーも向上するはず」としており、今後、自転車や拠点の数を増やしていく方針だ。

ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る