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うつ患者の憂うつ

得意なこと、好きなことができなくなる

匿名希望(2008-01-13 06:30)
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 私の「昔」の趣味は模型作りだった。小学生低学年のころは、1カ月分のおこづかいをもらった当日に、その全額で「30センチシリーズ」なる軍艦の模型を買い、風呂場で走らせて遊んでいたものだ。

 それが「うつ」を煩ってからは、模型作りにさっぱり手が出なくなってしまった。細かい作業を行うための集中力がさっぱり出せなくなり、ニッパーやデザインナイフなどの工具を握れなくなっていたのだ。

 この集中力は、日常の生活の中でも発揮できなくなり、会社でも書類を読む、報告書を書くといった日常業務や、技能業務の機械設計にも支障をきたすようになってしまった。現在は仕事をリタイヤし、静養と回復に集中して投薬中心の治療に専念する生活を送っている。

 しかし、模型がキライになったわけではない。新しいモデルが発売されれば、わくわくして模型店の店頭を回ったり、書店で気に入った模型雑誌が出れば、買ってページをめくることを楽しんだりもする。

 最近は出来のいい完成モデルも販売されていて、金銭面が許すのなら購入したいところだが、「モノを作る」楽しみからは外れるのか、どうも触手が伸びない。自分の趣味が「模型作り」なのだ、と、改めて確認するのだが、作れない模型はやはり購入しようとは思わないモノらしい。

 ところが、模型雑誌に付録としてついていた模型の改造パーツに誘われて、久々に模型を購入してしまった。箱からパーツを取り出して、最近の模型のデキの良さに感心しては見るものの、いざ組立てとなると気力が萎えてしまう。集中力が続かないので、工具を放り投げだしたくなってしまうのだ。

 好きなことができなくなる。これは自分との葛藤が生まれる辛い現状だ。うつ患者の憂うつは、患者以外には理解しがたい心理なのかもしれない。


【編集部注】
記者本人の希望により匿名掲載といたしました。(2008/01/14 18:28)
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