全国医師連盟の創設に向け決起集会

 医師の労働環境改善などを目指す新たな団体を立ち上げようと、「全国医師連盟設立準備委員会」(黒川衛代表世話人)は1月13日、東京都内で総決起集会を開いた。全国医師連盟(仮称)の設立は、医師不足による病院閉鎖など医療崩壊が叫ばれる中、医師が誇りを持てる労働環境を創設して医療の質向上につなげることが狙い。当日の集会には全国から約110人の関係者が駆けつけた。

 全国医師連盟設立準備委員会は、代表世話人の黒川さんらが中心になり、昨年8月に発足させた。ことし1月時点で全国の勤務医や研究医、開業医ら約420人が会員登録しているという。日本医師会に比べて勤務医が全体の15〜16%と多く、平均年齢も43歳と若いのが特徴だ。設立準備委員会は、早ければ5月ごろにも連盟を発足させたい考え。

 連盟の設立後は、医師の労働環境改善を目指して労働組合(ドクターズユニオン)を創設させるとともに、医療費抑制策への反対キャンペーンを実施するなど厚生行政へも働きかける方針。さらに、啓発活動の一環として医療事案に関する無料解説を担う部署を立ち上げたり、医療過誤冤罪の発生を防ぐため支援活動を展開するなどの構想もある。詳しくは設立準備委員会のホームページで。

 13日に会見した黒川さんは、「人を助けたいという初心を医師が発揮できて、誇りを持って働ける環境を取り戻したい」「医師、患者、国民が連携して新時代を迎えたい」などと意気込みを語った。
 また日本医師会との関係について同委員会は、「見習うべきことは見習い、批判すべきことは批判する。基本的には是々非々」と説明した。

 総決起集会では埼玉県済生会栗橋病院副院長の本田宏さんが講演し「日本では60歳を超えた病院の院長が当直している。こんな状況を放置していいのか」などと問題提起した。会場からは、問題解決に向けてすぐにも連盟を発足させるよう求める声も挙がった。


更新:2008/01/13   キャリアブレイン

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