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ラジオの緊急地震速報開始控え 在京6社が共同番組

2008年01月12日15時08分

 緊急地震速報が、在京の民放ラジオでも今春以降に始まる。それを前に、在京6社は特別番組を共同制作、17日夜7時から同時生放送する。番組の6社共同制作、同時生放送という取り組みは珍しい。

 番組パーソナリティーは上柳昌彦・ニッポン放送アナウンサーと古賀涼子・TOKYO FMアナウンサー。首都高速道路のパーキングエリアや、緊急地震速報を想定した訓練をしている東京・八重洲の地下街などで各局キャスターが生中継する。ゲストは防災問題に詳しい渡辺実・まちづくり計画研究所所長。車中、屋外、家の中といった、速報時の状況に応じた行動の取り方を、渡辺所長のコメントを交えながら紹介する。

 緊急地震速報は、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、TOKYO FM、J―WAVEの5社が4月1日、ラジオ日本は今秋から運用を始める予定。今回の共同番組を担当する森田耕次・ニッポン放送報道部副部長は「一般向け速報は既にテレビなどで始まったが、まだ十分に理解されていない」と話す。

 ラジオ局側の懸念が強いのは、聴取者全体に占めるドライバーの割合が大きいためだ。「朝などは半数近くが移動中のリスナー」と森田副部長。速報時の対応が適切でないと、例えば高速道路を走るドライバーが急ブレーキをかけるなどして、二次被害を誘発する可能性が考えられる。

 緊急地震速報に関する6社の検討会をとりまとめる田中厳美・ニッポン放送編成局長は「減災に有効な情報だが、マイナス面もある。『放送しなければ事故は起きなかった』ということがあるのが一番怖い。リスクを避ける手段をラジオ局で独自に考える必要がある。特にドライバー向けの対応は4月までにきちんと決めたい」と話している。

 〈緊急地震速報〉 地震の大きな揺れ(S波)の前に到達する小さな揺れ(P波)をとらえることで、大きな揺れが到達する数秒〜数十秒前に、到達時刻や揺れの大きさなどを知らせる。気象庁の発表基準と同じ「震度5弱」以上で放送するのがNHKのテレビ・ラジオ、民放テレビ、民放ラジオの一部。一方、在京民放ラジオ6社は二次被害発生の懸念などを踏まえ、首都圏での放送基準を「震度5強」に設定する予定だ。

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