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予定なかった発電機を使用し、不完全燃焼…地中工事3人死亡


3人が死亡した送水管工事現場で実況見分をする捜査員ら(8日午後2時40分、北九州市八幡西区で、本社ヘリから)=足立浩史撮影

 北九州市八幡西区御開(おひらき)3の送水管工事現場で地中の工事用横穴に取り残された作業員3人が死亡した事故で、3人の死因は一酸化炭素中毒で、ガソリンを燃料とする発電機の不完全燃焼が原因とみられることが、8日分かった。

 元請けの「平林組」(北九州市八幡東区)が市に対し「穴を掘る方向がルートからずれそうになり、掘削機を調整するために穴の中で発電機を使った」と説明していることも判明。発電機の使用は当初の予定にはなく、福岡県警と北九州西労基署は工事の進め方に問題がなかったか調べている。

 市水道局によると、この工事では機械が横穴を自動的に掘り進むため、通常、作業員は穴には入らない。しかし7日は地中を掘り進むカッターの向きがずれていたことから、修正のため孫請けの「永松工務店」(福岡県宗像市)の社員、脇山正一さん(58)、挽地(ひきち)保馬さん(59)、永松大輔さん(39)が横穴に入り、発電機を使用していた。

 この工事は工期が遅れ、平林組が市から指導を受けていたことも分かった。

 県警は8日、司法解剖を行うとともに、北九州西労基署と合同で実況見分を実施。横穴入り口から約30メートルの地点で高濃度の一酸化炭素を検出し、発電機を回収した。実況見分は9日も行う。

 一酸化炭素は無色、無臭で、吸い込むと、血液中の酸素を運ぶヘモグロビンと結びついて酸欠状態になり、重症の場合は脳や臓器に障害が起きて死に至る。死亡した3人は一酸化炭素の発生に気付かないまま、穴の中にいて中毒になったとみられる。

 関係者によると、7日午後の作業開始から約30分後に、死亡した3人のうち1人が無線で「穴の真ん中で発電機を動かしている人に大声で『発電機を止めてくれ』と言っているが、聞こえないみたいだ。発電機を止めるよう言ってくれ」と横穴の外部にいた作業員らに連絡。この作業員らは横穴に入ったが、気分が悪くなってそのまま外に脱出し、搬送先の病院で一酸化炭素中毒と診断されたという。



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