掘削機が地上操作不能になり、発電機搬入…地中工事3人死亡
北九州市八幡西区御開(おひらき)3の送水管工事現場で作業員3人が一酸化炭素中毒で死亡した事故で、地上から行う掘削機の先端部の操作ができなくなったため、3人は直接先端部の角度を調整するため、工事用横穴内に発電機を持ち込んでいたことが分かった。ガソリンを燃料とした発電機が不完全燃焼し、一酸化炭素が発生したとみられる。
この工事を発注した市水道局などによると、掘削機の操作は地上で行うため、作業員は点検や工程確認以外の目的で地下約13メートルの横穴に入ることはない。しかし、掘削計画で左カーブに差し掛かった横穴入り口から約230メートル地点で、地上からの遠隔操作ができなくなったことから、3人は事故が起きた7日、掘削機先端部のカッターヘッドと呼ばれる装置の角度を調整するため、発電機を持って横穴に入ったという。
地上に発電機を設置して延長コードを用いた場合、電力のロスが生じて必要な電力を確保できない恐れがあるため、掘削機近くの横穴まで発電機を持ち込んだ可能性があるという。
発電機を横穴内で使用する作業は、元請けの「平林組」(北九州市八幡東区)が市に提出した工事施工計画書には盛り込まれておらず、この日の使用の際にも、同社から市への報告はなかったという。
一方、福岡県警と北九州西労基署は8日に続き9日も実況見分を行った。