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豊田スタジアムのプール天井崩落 長さ20メートル

2008年01月06日17時33分

 6日午前8時55分ごろ、愛知県豊田市千石町7丁目の豊田スタジアムの地下2階にある温水プールで、天井(高さ8メートル)の石膏(せっこう)ボード約250枚が長さ20メートル、幅4メートルにわたって落下した。午前9時の開館を前に委託業者の職員が清掃などの準備作業をしていたが、けが人はなかった。天井は「つり天井」と呼ばれるタイプだが、市にはその認識がなく、05年に国土交通省が仙台市の屋内プールの事故をきっかけに実施した耐震性調査にも回答していなかった。

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落下した天井の石膏ボードが散らばる温水プール=6日午後、愛知県豊田市の豊田スタジアムで

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プールの天井から落下した石膏ボード=6日午後、愛知県豊田市の豊田スタジアムで

 プールを所有する同市の教育委員会スポーツ課によると、天井は鉄骨の枠組みに縦40センチ、横80センチ、厚さ1.5センチのボードをビスで留めた構造。約700平方メートルのうち9分の1程度が、25メートルプールの水面や付近の滑り台の上などに落下した。午前8時55分ごろ、シャワー室の点検をしていた職員が大きな音に気づき、天井の一部が崩落しているのを発見。いったん収まったが、その後、「メリメリ」という音をたてて一気に崩れ落ちたという。同課は湿気でボードが変形した可能性もあるとみて調べている。

 プールは年末年始は休業し、5日に再開。同日午後7時半ごろ、職員が目視で点検した際には異常は見つからなかったという。

 つり天井については、05年8月の宮城県沖地震で、仙台市の屋内プールの天井が崩落した事故を受け、国交省が体育館など500平方メートル以上のつり天井を持つ施設を対象に、耐震性の全国調査を実施していた。しかし、豊田市は今回の事故までプールの天井がつり天井とは気づかず、調査にも回答していなかった。同課は「仙台とは構造が大きく異なり、対象になると判断できなかった」。天井の定期点検も実施してこなかったという。

 プールは01年11月にオープンし、年間約6万人が利用。冬場も多い日で100人程度が訪れ、6日も3人が開館を待っていた。同課は「営業時間帯なら大事に至る可能性もあった。点検が行き届かなかったことを深く反省している」と話している。

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