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急患対応に調整役 たらい回し対策 地元医師ら配置

2008年01月07日10時57分

 救急患者のたらい回しが起きた時には「調整官」に対応させます――政府は4月から、急患の搬送先の医療機関が見つからず手遅れになるのを防ぐため、搬送先を探して、受け入れを依頼するコーディネーターを全都道府県に置く事業を始める。救急隊の手間を省いて、搬送時間をできるだけ短くする狙いがある。

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たらい回し対策のイメージ

 コーディネーターには、医療知識に加え、地元事情にも詳しいことが必要なため、地元の医師を充てたい考え。平日の夜間(午後4時ごろ〜翌日午前8時ごろ)と休日(土・日、祝日)をカバーできるようにする。

 実際の運用は各都道府県に委ねるが、例えば、救急隊が五つ以上の病院に受け入れを拒否されたり、病院探しに30分以上かかったりした場合に、コーディネーターが受け入れの依頼に乗り出すことを想定している。

 費用は、1県あたり年約3000万円を見込んでおり、都道府県と国が折半して拠出する。このための厚生労働省の08年度予算案7億円が、すでに昨年末の復活折衝で認められている。

 救急患者の搬送を巡っては、昨年夏に奈良県の妊婦が11病院に受け入れを拒まれた末に死産するなど悲惨な「事件」が起きていた。総務省消防庁の調べでも、06年に産科・周産期の病院に救急搬送された約3万5000件のうち、病院から5回以上受け入れを拒否されたケースが220件あった。

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