横浜放送局

2008年1月7日 10時51分更新

がん自動診断装置を初開発


人の全身の内部を撮影することができる「PET−CT」と呼ばれる画像から肺がんや乳がんなど10種類のがんを自動的に診断するシステムを横浜国立大学と横浜市立大学の研究グループが開発し、病気の見落としの防止に役立つと期待されています。

「PETーCT」は、人の全身の内部を詳細に撮影することができる画像診断装置で、がんなどの病変を見極めるには色の濃さや形の微妙な違いを読み取る専門の知識や経験が必要とされています。
横浜国立大学と横浜市立大学附属病院の研究グループは、経験の違いによらずに同じレベルの診断ができるシステムを作ろうと、専門の医師6人から診断の際にどのような点に注目してがんと判断するのか詳しく聞きました。
そして、この分析結果を人工知能に組み込むことでがんを自動的に診断するシステムを開発しました。このシステムを使って31人の患者の画像を診断したところ、肺がんや乳がんなど10種類のがんを見つけることができたということです。
横浜市立大学附属病院の鈴木晶子助教は「疲れや体調不良でもがんを見落とすおそれがある。がんが疑われる部分を自動的に見つけてくれれば診断の向上にもつながる」と話しています。
このシステムは膀胱がんなど一部のがんにはまだ対応できないということで、研究グループでは、症例数を増やして精度を上げ、医師の診断の支援に役立てたいとしています。