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脳科学「歯止め必要」56% 文科省研究班が調査

2008年01月06日06時21分

 脳科学への期待は大きいけれど、規制も必要になる――。文部科学省の研究班(代表=福山秀直・京都大教授)による脳科学に対する意識調査から、国民のこんな考え方の傾向が浮かび上がった。脳科学の急速な発展で他人の心を読んだり、知的能力を高めたりできる可能性が出てきたことから、社会的影響を検討し、政策につなげるために調べた。

 研究班は全国で20〜69歳の男女2500人に、インターネットで質問に答えてもらった。

 「脳科学の発展は人々を幸福にする」との意見に「賛成」「どちらかといえば賛成」は合わせて49%。「反対」「どちらかといえば反対」は計7%だけだった。

 ただ、「脳科学の研究は、きびしく規制されなければならない」に対しては、「賛成」「どちらかといえば賛成」が計56%と過半数を占めた。

 思考・感情を読み取る技術を、「犯罪捜査」と「法廷での証言の真偽判定」に実用化することには、いずれも「望ましい」「どちらかといえば望ましい」が合わせて54%だった。一方、「企業の人事管理のため」には「望ましくない」「どちらかといえば望ましくない」が計65%にのぼり、期待と不安が用途でばらつくこともわかった。

 14日に京大である国際シンポジウムでこうした結果の一部を発表し、5月ごろには総合的な分析結果をまとめる予定だ。

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