２００５年５月に三越倉敷店が撤退した「くらしきシティプラザ東ビル」（倉敷市阿知）の後継誘致問題で、第一候補の天満屋（岡山市表町）が出店する方針を固めたことが、２１日分かった。今週中にも倉敷市が出資した家賃収入の受け皿会社と出店契約を締結。ビルの全面改装に着手し、同市などが目標とする本年度内のオープンを目指す。

　倉敷市や地権者団体で構成する誘致組織「くらしきシティプラザ東ビル対策会議」（議長・岡荘一郎倉敷商工会議所副会頭）が先月中旬、「全地権者の説得にめどがついた」として正式に出店を要請。年度内の開業に向け時期が迫っていることもあり、天満屋は出店を決めたとみられる。

　市などによると、同日の段階で地権者７８人のうち１人が条件面で折り合わず、天満屋が求めるビル床の一括賃貸に合意していない。同社の出店は確実になったが、一括賃貸を崩したわけでなく、対策会議と地権者団体は「改装工事と並行して話し合いを続けていく」（関係者）という。

　ＪＲ倉敷駅前に立地するくらしきシティプラザ東ビルは、核テナントの三越倉敷店の撤退後、専門店街の約６０店も相次ぎ退店。０６年１０月の全館閉鎖から空きビル状態で、市中心部の空洞化の一因になっていた。

　対策会議は０５年１１月、天満屋を後継店の第一候補に決定。誘致を進めたが、ビル床一括賃貸に向け地権者の足並みがそろわず、交渉が難航していた。