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ゴンドラに腕はさまれ落下、スキー場従業員死亡 群馬

2008年01月03日20時12分

 群馬県嬬恋村のスキー場パルコール嬬恋スキーリゾートのゴンドラ駅で2日午前11時20分ごろ、埼玉県桶川市下日出谷、アルバイト従業員伊藤正志さん(63)が動き出したゴンドラのドアに腕を挟まれて宙づりになり、約15メートル下の雪面に落下した。伊藤さんは胸や足の骨が折れ、3日未明に死亡した。出血性ショック死だった。群馬県警は業務上過失致死の疑いもあるとみて調べる。

 長野原署や同スキー場によると、伊藤さんはゴンドラの山頂駅で客の乗降の補助をしていた。男性客がゴンドラ内に置き忘れた手袋を取ろうとゴンドラに近づいたところ、ドアが閉じ、左腕を挟まれたとみられる。

 ゴンドラは、駅に着くとドアが自動的に約90秒間開き、幅18センチ以上のものが挟まると自動停止する仕組みだった。異変に気づいた従業員が手動の非常停止ボタンを押したが、間に合わなかったという。ボタンは駅の運転室とホームの2カ所にあった。

 同署は、事故当時の状況などを調べている。同スキー場では、90年の開業以来、ゴンドラで人身事故が起きたのは初めてだった。

 遺族によると、伊藤さんがアルバイトを始めたのは昨年12月下旬。長年勤めた会社を定年退職し、「趣味と実益」を兼ねてこの仕事を選んだという。娘の藤繁佳代子さん(32)は「山が好きで、60代とは思えないくらい活動的で若々しい父でした」と突然の悲報に声を詰まらせた。

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