米、北朝鮮の核開発資金源の根絶に着手
米国が北朝鮮の核兵器開発を阻止するための“資金源”の根絶に本格的に乗り出した。
アジアン・ウォールストリート・ジャーナル(AWSJ)は8日、米国の司法当局が、北朝鮮の偽札と覚せい剤・武器取り引きに関連した疑いで、中国最大の銀行バンク・オブ・チャイナ(BOC)とマカオに位置するバンコ・デルタ・アジア銀行、恒興銀行など、3行を調査していると報道した。
これらの銀行は、米国が麻薬、偽札、偽造品のタバコなどを密輸入してきた北朝鮮企業の閉鎖を図る活動を行う過程で、北朝鮮と違法な取り引きをした事実を摘発された。もし違法資金取引、マネーロンダリング(資金洗浄)などが確認されれば、厳しい制裁措置に直面するだろうと同紙は報じた。
今回の捜査は、来週再開される予定の6か国協議とバンク・オブ・チャイナの来年中のニューヨーク証券市場への上場を前にした時点で、米国の司法当局がアジア諸国とここ3年間北朝鮮の偽札と闇市場での武器取り引きの流通網を調べた末、行なわれるもので、その結果が注目される。
AWSJは、米国の財務省検察局(Secret Service)と移民関税執行局(ICE)などは最近、合同調査を通じて、いわゆる“スーパーノート(super note)”と呼ばれる100ドルの偽札500万ドルを米国や台湾で押収した。米当局はほとんどの偽札が北朝鮮で作られたものと見て、捜査を進めていると明らかにした。
これと関連し、米国のロバート・ゼーリック国務副長官は8月初旬、中国を訪問して北朝鮮に偽札と核開発問題などを取り上げ、北朝鮮を「犯罪国家( criminal state )」と断定したことがある。
とりわけ、米国は今回の調査で、金などを売って北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の裏金調達の窓口役を果たしており、核開発プログラムの部品獲得にも一部関与していきたマカオに位置する朝光(チョグァン)貿易にも注目していると伝えられる。朝光貿易の銀行口座は、金大中(キム・デジュン)前大統領の北朝鮮への送金口座としても利用された。
朝光貿易の取り引き先として目されているマカオの2行は、ともに香港とマカオの大富豪の所有で、大きな波紋が予想される。
香港金融界の大物であり、立法議員であるスタンレー・アウ(Stanley Au)氏が所有しているバンコ・デルタ・アジア銀行は、1994年北朝鮮の朝光貿易によるドルの偽札持ち出し事件の当時、マネーロンダリングに関連し、現在、米財務省のブラックリストに載せられた。
また、恒興銀行のオーナーのスタンレー・ホー(何鴻桑/83)氏は、マカオの最大カジノ富豪で、金正日総書記と親密な関係にあり、93年には平壌(ピョンヤン)にカジノをオープンしている。
AWSJは、「先月、捜査チームの偽装要員が、武器取引組織からの違法な地対空ミサイル取引提案の動きをつかんだことを手がかりに、これを一網打尽にする構えでいる」と明らかにした。
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