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ヌルヌル男の秋山、1回KO負け

 1回、三崎のキックが秋山の顔面に決まる=さいたまスーパーアリーナ

 「やれんのか!」(31日・さいたまSA)、ヌルヌル男に制裁が下された。昨年大みそか以来となる日本復帰戦に臨んだ秋山成勲(32)=フリー=は三崎和雄(31)=GRABAKA=と対戦。序盤、右フックでぐらつかせたが、1回8分12秒、左フックでダウン。さらに右の蹴りを顔面に浴び、鼻から流血しKOで敗れた。

 一瞬にして勝敗が決まった。三崎の左ロングフックを浴びた秋山はヒザから崩れ落ちた。起き上がろうとした顔面に、今度は容赦ない右の蹴りが飛ぶ。まともに顔面に食らった瞬間、レフェリーが間に入った。文句なしのKO負けだった。

 鼻の頭から出血して、足早に引き揚げようとした秋山は三崎に制止された。「秋山!オレは許さない。でも試合をして、お前の心はオレに届いた。これからリングでたくさんの人、子供たちにおわびと誠意の気持ちをもって闘ってほしい」。呼びかけられて、うつろな目で聞き入った。

 「ヌルヌル事件」-。06年大みそか。「Dynamite!!」桜庭和志戦。全身にスキンクリームを塗布して闘った秋山は、勝利をはく奪され、謹慎処分を科された。10月に韓国で復帰したが、1年ぶりの日本のリングは大ブーイングの完全アウエーの中の闘い。序盤は打撃でぐらつかせたが、痛恨の逆転負けだった。

 無言でリングを降りた秋山は病院に直行した。その背中へ、三崎は秋山のいつものセリフ「柔道最高!」と投げかけた。そして、いつもの決まり文句「日本人は強いんです」と叫んだ。「この男には、リングで信頼を取り戻してほしいと思った」。秋山の実力を認めた上での言葉だった。

 歓喜のリング上。三崎は高田本部長にビンタを食らった。「張ってくれって頼んだんです。『お前、男だよ』って。最高の褒め言葉です」。試合前の秋山へのブーイングは、試合後、三崎への大歓声に変わっていた。

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