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■試合の見どころ
桜庭vs船木と並ぶ今大会の“U系対決”。田村が得意とした“回転体”と言われる動きに所が呼応し、寝技勝負を期待したい。体重差があるだけに、所は打撃を被弾しダメージを負うことを極力避けたい。
■試合経過
ともに赤いコスチュームで向かい合う2人。レフェリーから口頭チェックの際、所が田村の顔をビンタで張るが、レフェリーから注意が与えられる。
1R 所は前後にリズミカルなステップを踏む。田村はこれをじっくり見て、リング中央で動かない。思い切ってタックルで組みついていく所だが、田村はこれを受け止める。素早くバックに回る田村。だが、所は田村のグローブを抱え込む。所は回転して向き合うが、田村はガードへ入って行かずに離れる。田村は得意の左ミドルを1発バシンと打ち込む。所は思った以上に威力があったか、たまらずタックルへ行く。田村にこれが切られると、所は足元にもぐりこんで足関を狙う。これが外されると腕十字を狙う所だが、田村が腕を引き抜きスタンド戦へ戻る。所の前後のステップを読み、田村は再び左のミドルをヒット。さらに田村は左ストレートを打ち込む。所は寝技に勝機を見出したいが、田村相手に寝技を進行させていくことができない。スタンドで所は左右のスイングフックを放つとこれを当てていく。田村も呼応して打ち返し、所の胴回し回転蹴りから再び寝技の展開となるが、田村は所にいいところを与えず攻めさせない。再びスタンドになると田村は左ミドルを当て、左ストレートを振るっていく。バランスを失い崩れた所は下から横三角絞めのような形で田村の首を挟むが、ここで終了のゴングとなる。
2R 田村は左インローからスタート。どっしり構えて左のミドルを所に飛ばし前へ出て行く。所もタイミングを合わせて右ミドルを飛ばすもバランスを崩して転倒する。所は足関を狙うが、田村の反応は速く背後に回る。しかし、スピードで上回る所は田村を下にする。田村はガードポジションで足をクロスする。足を割りパスを仕掛けんとする所だが、展開がなくブレークとなる。 所の左フックと田村の左フックが同期する。所はタックルへ行くが田村は切ってこれを潰す。背後についた田村は所の顔面に鉄槌(てっつい)を送る。これで所の動きを誘発し、バックからの腕十字を狙った田村だが、所はこれを察知して決めさせない。逆に足関を狙った所だが、ここも田村が所の動きを潰し、所の顔面にパンチと鉄槌を見舞っていく。田村がバックについた状態のまま展開がなく、両者の攻防が止まってしまう。所は尻もちをついた状態からさらに沈んで背中をマットにつき、グルリと回って腕十字の形に入るが、田村は腕を伸ばされないようにディフェンスする。
3R 所はボディへの右跳びひざを決めるが、すぐに田村は左ミドルを打ち返していく。打って出んとする所だが、田村はプッシュして所を押し戻し、左ミドルを1発2発と見舞っていく。しかし、田村の放ってきた左ミドルをキャッチした所は、そこから倒れこんで足関節技に持ち込む。やや慌てた風の田村だが、所の顔面に鉄槌を見舞い、さらに所の首をしっかりホールディングしてそこから先に技を進めさせない。体勢を入れ変えんとする所だが、田村はそのタイミングに乗じてハーフガードにポジションを進め、アームバーの体勢に。クラッチを切られてもしばらくギブアップを固辞した所だが、完全に極められると観念して田村の体をタップした。
所の勝利を称えた田村だが、プレゼンターの前田日明は試合内容に不満があったか田村にトロフィーを投げつけるようにする。田村はぶ然とした表情でリングを降りていった。
■試合後のコメント
■田村潔司「僕はプロとして自分のUスタイルでお客さんに何かを与えたい」
――思い描いた試合はできたか?
いえ、もう少し動いてお客さんに二人の技術を見せたかった。最初は一発勝負の考えがあったが、所選手が思っているより力のある選手で、無理だった。
――U系同士の戦いという意識はあった?
やはり意識した。所選手も目標に向かって頑張っている。やりがいがある相手だった。
――Uの後輩として合格?
所選手は今のポジションまで来るのに苦労したと思う。もっと伸びてほしい。
――二人でU系の戦いを見せることができた?
自分では点数をつけることができない、見ている人が点数をつける世界。自分としては勝てたので良かった。所も悔しいと思うが、悔しさをばねにして、伸びてほしい。所は自分の所の中村ダイスケとやらせても面白いと思う。今の所には中村では勝てないと思う。これから、自分を含めて努力していく。
――試合前に一発はられたが?
グラッとしたが、気合が入った。冷静に考えると反則だが、気合入りました(笑)
――リング下の前田日明を意識したか?
(前田が)いるのが声でわかった。ただ、前田さんがいるんだなーって思った。
――前田との試合を思い出す?
10年前は自分が挑戦者、今回は自分が受ける立場。そういう心境はあった。
――今後はUスタイル? MMAスタイル?
僕はプロとして自分のUスタイルでお客さんに何かを与えたい。そのために、総合に通用する選手を育てていきたい。
――ということは? 一歩引いて状況を見るということ?
状況を見つつです。
――プライド末期に戦った、吉田選手にテーマをもっていくというのは?
今の格闘技界の状況を知らない。選手はリングで表現するのがすべて。これからの生き残りをかけた戦いに、いかに生き残れるか。そのために、心技体をもっと向上しなければならない。 ■所英男「完敗ですね。すごく勉強になりました」
――試合の感想は?
まだ分からないですねえ。すべて出し切れたのか、出し切れてないのか。今イチ分からないです。
――田村選手はどうでしたか?
強かった……、う〜ん、まあ強かったです。
――左ミドルは?
今まで食らったミドルの中で、一番痛かったっス。痺れました。実力差がありましたね。
――勝機はありましたか?
1回、上をとって足関節をとりかけたんですが……。上手く逃げられてしまいましたね。勝機はなかったです。
――田村選手は「力が強い」と言っていたが?
素直に受け止めます、ハイ。
――前田さんは何か言ってましたか?
まだ、ちょっと、何も……。
――試合後の田村選手と前田さんのことは?
何が起こったか分からない状態でした。
――試合前のパンチは?
あそこまで注意されるとは……。まあ考えてやったことなんですが……。いま考えると失礼なことをしてしまったなあと思う。伝わると思ったんですが、誰にも伝わらなくて(苦笑)。
――緊張した?
いつもより緊張しなくて、自然な気持ちで上がれた。相手が強くて結果は出せなかったですが。
――タップは?
田村さんがレフェリーにアピールしていて……。ボクは我慢しようとしたんですが、我慢できませんでした。
――フィニッシュは?
押さえ込みが上手で、動けなかったですね。すごく強かったです。
――グラウンドで完封されてしまった。
完敗ですね。すごく勉強になりました。次、頑張ります。
――悔しい? それとも思い出作り?
思い出作りで試合はしてないんで。すごく勉強になった試合です。もう少しガムシャラにいけばよかったと思う。
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