MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

中国の著名活動家逮捕 反体制分子を根こそぎ“浄化”

2007.12.30 18:15

 【曲阜(山東省)=野口東秀】中国の著名な民主活動家で、HIV感染者の支援などで知られる胡佳氏(34)が国家政権転覆扇動容疑で逮捕されたもようだ。複数の民主活動家が明らかにした。胡氏は国内で幅広く人権活動を展開しており、当局は最も厳重な監視態勢を敷いていた。中国では民主・人権活動家の拘束が相次いでおり、胡氏の逮捕は、来年の北京五輪を前に影響力のある反体制派分子を根こそぎ摘み取る“浄化作戦”の一環とみられる。

 関係者らによると、27日午後3時、20人ほどの当局者が自宅を訪れ逮捕を通告、連行した。妻の曽金燕さん(24)は自宅で軟禁されているという。胡氏の携帯電話は30日午後現在、不通になっている。

 胡氏は中国各地のほぼすべての民主活動家や人権派弁護士、欧米大使館員らと連携して当局の弾圧状況などを電子メールで発信。昨年7月から今年2月まで当局に拘束されていた。曽氏は夫が拘束された際、国際社会に支援を呼びかけ、今年、米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。胡氏も欧州議会が人権活動家に贈るサハロフ賞の候補の一人だった。

 反政府活動家に対する当局の弾圧は広範囲に及んでおり、これまでも強制中絶の被害者支援で知られ、マグサイサイ賞の候補ともなっていた盲目の活動家、陳光誠氏が逮捕されたほか、著名な人権派弁護士、高智晟氏も国家政権転覆扇動罪で執行猶予付きの有罪判決を受けている。さらに人権活動家である郭飛雄氏が11月に非合法経営罪で懲役5年の実刑となったほか、強制堕胎事件への支援で知られる李和平弁護士は最近、身元不明集団に拉致され暴行された。

 胡氏はこれら著名な活動家らと太いパイプがあり、その中核的な存在だった。北京の元弁護士は「五輪で国際社会の注目が集まる前に、活動家の動きを封じ込めようという当局の狙いがある」と話している。

広告
イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2007 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。