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死刑:判決、最多の47人 確定者107人 厳罰化進む

 全国の裁判所で今年死刑を言い渡された被告が47人に上り、最高裁にデータがある80年以降最多だったことが毎日新聞の調べで分かった。拘置所に収容されている死刑確定者も107人に上り、年末としては戦後最多となった。被害者感情を重視し、厳罰化傾向が進んでいることが背景にあるとみられる。

 47人の内訳は▽1審で15人▽2審で14人▽上告審の最高裁で18人。死刑判決を受けた被告数は80年以降、年間5~23人だったが、01年に30人に達してからは▽02年24人▽03年30人▽04年42人▽05年38人▽06年44人--と増え続けている。

 主な死刑判決は▽仮釈放中に再び殺人事件を起こした西山省三死刑囚(54)=4月10日、最高裁▽地下鉄サリン事件の散布役では初めて死刑が確定した元オウム真理教幹部、横山真人死刑囚(44)=7月20日、同▽前橋スナック乱射事件の矢野治被告(59)=12月10日、東京地裁--など。

 今年死刑が確定したのは自ら控訴を取り下げた5人と、最高裁が上告を棄却した18人の計23人。今年は9人に死刑が執行されたが、年末の収容数は昨年の94人から更に増えた。【高倉友彰】

 ◇社会で残忍な事件、減らす努力を--渥美東洋・京都産業大法科大学院教授(刑事法)の話

 メディアの犯罪報道などによって社会に厳罰主義の流れが進み、司法判断も影響を受けていることが、死刑判決増加の背景にある。刑法犯の認知件数は減ってきているのに、全く落ち度がない子供が被害者になるような残忍な犯罪が増えていることも理由の一つだ。幼少期のうちから、集団の構成員となるために必要な価値や規範を身に着けられるような福祉的活動や行政サービスを充実させ、死刑に相当する残忍な事件を減らしていく社会全体の努力が必要になっている。

毎日新聞 2007年12月29日 東京朝刊

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