富田林市消防本部によりますと、今月２５日の午前５時前、市内に住む８９歳の女性の家族から、女性がおう吐するなどの体調不良を訴えていると、救急搬送を要請する通報がありました。女性は救急車に乗せられ、救急隊員が応急処置をしながら受け入れ先の病院を探しましたが、富田林市や大阪市、堺市などあわせて２９の病院から「ほかに救急患者がいる」とか、「ベッドが空いていない」などと相次いで受け入れを拒否されました。そして、３６回目に連絡を取った隣の河内長野市の病院が受け入れることが決まり、女性は、通報から２時間後に病院に到着して治療を受けましたが、まもなく死亡しました。女性は救急車に乗せられたときには意識がありましたが、病院を探している間に容態が悪化し、病院に到着したときには意識がなくなっていたということです。富田林市ではこの２日前にも、救急隊員が体調不良を訴えた女性の搬送先を探した際に１４の病院から受け入れを断られ、病院への到着まで１時間半かかっていたということです。富田林市消防本部は「救急隊員が努力して受け入れ先を探したが、結果的に患者が亡くなってしまい残念だ。今後、地域や病院と連携を取り、受け入れ態勢の改善を図りたい」としています。