ご婚約内定の発表

◇宮内庁長官発表
平成16年12月30日(木)

 清子(さやこ)内親王殿下には,本日,黒田慶樹(よしき)氏とご婚約がご内定になりました。

◇天皇皇后両陛下のご感想
平成16年12月30日(木)

 今日,紀宮と黒田さんの婚約の内定を発表することとなりましたが,若い二人が2年近くをかけて,これからの人生を共にすることを決め,この発表を迎えたことを心強く思っています。
 11月に二人が新潟地震の被災者のことを思って発表を遅らせた時,その被災地の人々から温かい祝福を受けたこと,また,紀宮のことをお心にかけてくださっていた高松宮妃殿下が,最後までこの発表を待っていてくださったことは,長く私ども四人の心に残ることと思います。
 新しい人生に歩み出そうとしている二人が,静かに,温かく見守られていくことを願っています。
 なお,26日にインドネシアの沖合で発生した地震と津波で,日本人を含む大変な数の犠牲者の出たことは,本当に痛ましいことであり,この機会に,亡くなった人々やその家族への深い哀悼の意を表します。

◇宮内庁長官の発言
平成16年12月30日(木)

 紀宮殿下には,成年皇族として,国の内外において多くのご公務を心を込めてお務めになり,天皇皇后両陛下をお助けになるとともに,様々な分野でのご活動を通じて,広く国民に親しんでこられました。これまで内親王として果たしてこられたお役割には誠に大きなものがあったと存じます。
 黒田慶樹氏は,紀宮殿下のご結婚のお相手にふさわしい誠に立派な方であり,お二方が2年近い歳月をかけてご交際を深められ,今日をお迎えになったことは,私どもといたしましても喜びに堪えません。
 この度のご慶事に当たり,天皇皇后両陛下並びに紀宮殿下のお喜びはいかばかりかと拝察申し上げ,心からお祝い申し上げます。

◇清子(さやこ)内親王殿下のご紹介  (English)


昭和44年4月18日 ご誕生(第1皇女子)
ご称号 紀宮(のりのみや)
お印 未草(ひつじぐさ)
   
昭和48年4月 柿ノ木坂幼稚園ご入園
昭和49年4月 学習院幼稚園ご入園
昭和51年4月 学習院初等科ご入学
昭和57年4月 学習院女子中等科ご入学
昭和60年4月 学習院女子高等科ご入学
昭和63年4月 学習院大学文学部国文学科ご入学
平成元年4月18日 ご成年
平成4年3月 学習院大学文学部国文学科ご卒業
平成4年〜平成10年 財団法人山階鳥類研究所研究助手(非常勤)
平成10年〜 財団法人山階鳥類研究所研究員(非常勤)

○ご活動の概要
 紀宮殿下には,学習院大学ご在学中からご公務を始められ,ご卒業になってからは成年皇族として各方面からの要請におこたえになり,様々なご公務を果たしてこられました。
 皇居では,宮殿での歌会始,講書始,学術,文化,スポーツなど各界功績者のためのお茶会,国賓を始め外国賓客や在京外国大使のご接遇など多数の儀式,行事に陪席されてこられたほか,御所においても,学術,文化などに関するご進講やお招きを受けた人々の接遇などに陪席になり,離任大使などをご接見になってこられました。ご成年以降15年間の,紀宮殿下の宮殿,御所での行事ご出席は740回に上っています。
 さらに,殿下は都内や地方で行われる式典や行事に数多くご臨席になっており,その中には,全国ボランティアフェスティバル,全国青年大会,少年の主張全国大会,国際青年の村,ガールスカウト周年行事,国民体育大会など,ご都合のつく限り毎回ご出席になり,若い世代を中心とする参加者をお励ましになってきたものも多くあります。そのうち72の行事,式典においてお言葉を述べておられます。また,アイメイト協会,セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンなど福祉・慈善団体の行事などにもほぼ毎年ご臨席になり,地方にお成りの折には,福祉,文化施設など,それぞれの地方の事情もご視察になっています。
 ご成年以降,地方への公的お成りは63回になり,37府県をお訪ねになっておられ,都内および近県へのお成りは263回を数えます。 
 外国との関係では,私的には昭和59年以降ご旅行をなさっていますが,まだ26歳でいらした平成7年以降ご単独で8回にわたり,14か国を公式にご訪問(注)になっています。それぞれの国で,元首,元首夫人を始め,一般市民まで幅広い層の人々とお会いになり,その国の歴史,文化,社会などにも深い理解を示されるなど,国際親善の実をお上げになってきました。ご訪問に関連し,日本におけるブルガリア文化フェスティバルおよびチェコ芸術祭では,日本側の名誉総裁を務められ,国内で行われた関連行事にご出席になりました。最近では,平成15年にウルグアイ,ホンジュラス両国を公式訪問され,我が国と両国との友好親善に務められました。ご訪問になった各国では多くの機会にお言葉を述べておられ,公式ご訪問14か国でのお言葉は37回になります。

○ご研究実績など
 平成4年4月から非常勤の研究助手として,平成10年4月からは非常勤研究員として,財団法人山階鳥類研究所に週2回勤務されています。また,赤坂御用地においては昭和61年以来,皇居においてはご移居後の平成5年以来,月1回の鳥類調査を行われています。近年では,平成14年10月に「皇居と赤坂御用地におけるカワセミAlcedo atthis の繁殖状況」,平成16年9月に「赤坂御用地鳥類調査(1986年9月〜2001年12月)」と題する研究報告を「山階鳥類研究所研究報告」および「山階鳥類学雑誌」に共著で発表されました。また,平成16年2月には「おもしろくてためになる鳥の雑学事典」(山階鳥類研究所著)の共同執筆者に加わっておられます。

○ご趣味・ご関心
 盲導犬の育成にもご関心が深く,チャリティーコンサートにお出ましになったり,折にふれ関係者のお話をお聞きになるなどされています。また,学習院中等科からクラブ活動として始められた日本舞踊は,現在もお続けになっており,これまでに7回国立劇場の公演にご出演になっています。平成15年9月の公演では「菊慈童(きくじどう)」を踊られました。
 ご成年後は,毎年,新年歌会始のほか,年の初めに天皇陛下がお示しになる,両陛下お誕生日,文化の日,ならびに毎月ごとのお題に,欠かさず詠進されました。




   (注)公式御訪問国と主要行事    
 
        平成 7年ブラジル  日本ブラジル修好100周年
        平成 8年ブルガリア  日本文化月間開幕行事
チェコ
        平成 9年フランス  パリ日本文化会館開館式
        平成11年ペルー  日本人ペルー移住100周年
ボリビア  日本人ボリビア移住100周年
        平成11年アメリカ合衆国  皇太子奨学金財団40周年
(ハワイ州)  望遠鏡「すばる」完成式
        平成12年スロバキア  日本文化週間開会式
スロベニア
アイルランド
        平成14年ルーマニア  日本ルーマニア交流100周年
クロアチア
        平成15年ウルグアイ  日本ウルグアイ修好80周年
ホンジュラス  (平成13年)


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