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裁判長が「取り調べ録画DVD」の有用性指摘 東京地裁

2007年12月26日21時06分

 09年から始まる裁判員制度を前に、捜査段階の取り調べを録画したDVDが初めて法廷で上映された殺人事件の公判で、東京地裁の小坂敏幸裁判長は26日、DVDに録画された内容が証拠として有効だとする判断を示した。殺人などの罪に問われた吉井誠被告(51)の公判で、実行犯ではない吉井被告が事件に関与していたかを判断するための証拠採用に関する決定として示された。

 DVDには共犯者とされた被告(56)=一審で懲役25年の判決を受け控訴中=の供述が録画されている。弁護側は「(取り調べの)部分的な記録で、証拠としての価値はない」と主張していた。

 小坂裁判長はDVDに録画された映像について「まさに自らの口で供述している様子が記録され、視聴する者に強烈な印象を与え、影響力が大きい」と指摘した。

 そのうえで、従来の公判では、取り調べた捜査官を証人尋問するなどして供述の信用性を判断してきたことと比較。「DVDの映像自体から供述が任意に行われたかが感じ取れ、信用性も調書などの裏付け証拠から認められる」と述べ、審理の効率化にDVDが有効だとの認識を示した。

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