MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

【主張】教育改革 徳育の教科化は欠かせぬ

2007.12.26 03:08
このニュースのトピックス主張

 政府の教育再生会議が年明けの最終報告を前に第3次報告を福田康夫首相に提出した。文部科学省と中央教育審議会が見送る姿勢をみせている「徳育」の教科化を改めて提言しており、早急にこれを実現すべきである。

 再生会議は、安倍晋三前首相の主導で発足し、昨年10月から1年余りの審議を重ね、「ゆとり教育」見直しやだめ教師排除、教育委員会改革などを提言してきた。いずれも公教育不信の原因になりながら、なかなか改善策が出されなかった課題だ。

 教育現場では、学力低下やいじめ問題などが相次ぎ、学校への不安や不満が増している。にもかかわらず、責任を明確にして解決していく姿勢がみられなかった。

 文科省、中教審は自らの教育施策をなかなか見直さず、公教育不信を高まらせた。再生会議の提言は、なれ合い体質のある教育界のしがらみから離れて改革を進める意味が大きかった。

 徳育充実は、再生会議発足当初からの課題である。

 いじめや非行の低年齢化などで規範意識や公共心をはぐくむ必要性は高まっている。だが、家庭の教育力低下に加え、学校では小中学校の道徳の授業が形骸(けいがい)化し、徳育を充実していく態勢とはかけ離れた現状にある。

 再生会議は徳育について2次報告に続き、3次報告でも「感動を与える教科書をつくる」と必要性を訴えた。

 徳育の教科化に対しては「価値観の押しつけ」などの批判が根強い。

 教科化について町村信孝官房長官は「必ずやらせる」としているのに対し、文科省、中教審の反応はいまだ鈍い。学習指導要領改定に向けた答申素案で中教審は教科化の是非を明言せず、渡海紀三朗文科相に判断を委ねた形だ。教科化による教科書検定や評価の仕方への批判に腰が引け、真剣に検討したとは思えない。

 公教育の再生は喫緊の課題である。教育刷新を最重要課題とした前首相に比べ、福田首相から教育課題への発言が目立たないことは残念だ。

 3次報告では家庭や学校を含め社会全体の連携を改めて訴え、「全ての子供のために公教育を再生する」ことを掲げている。提言を重く受け止め、教育改革を加速させてほしい。

広告
イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2007 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。