2007年12月23日 [日]
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文科省、議事録HPで公開 教科書検定審

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文科省、議事録HPで公開 教科書検定審

 【東京】沖縄戦における「集団自決」(強制集団死)の日本軍強制の記述が教科書検定で削除された件で、文部科学省は7日までに、2008年度から使用される教科書の検定を最終決定した今年3月30日の教科用図書検定調査審議会の総会議事録をホームページで公開した。議事録によると、日本史申請本を審議した部会は「現在の学説状況」に照らして、「集団自決」に関する記述の修正を求めたと説明。修正意見に基づき「適切な修正がなされた」ため合格判定したと報告している。報告に対する質疑や意見は記載されていない。
 文科省は近年の沖縄戦関連書籍の一部引用、大阪地裁で争われている訴訟で「自決命令はなかった」とする元座間味島守備隊長の証言などを根拠に検定意見を付した。しかし、審議会には沖縄戦の専門家はおらず、詳細な議論もなかったことが審議会関係者の証言で分かっており、文科省が主導した検定過程の在り方が問われている。
 議事録によると、日本史などを扱う同審議会の第二部会長は29点の申請本について「慎重に審議したところ、いずれの申請図書についても欠陥があると認められたので、合否の判定を留保し、申請者による修正を求め、その修正内容について再度審議した。その結果、検定意見に沿った適切な修正がなされたと判断し、全29点を合格と判定した」と報告した。
 その上で日本史に関して「近・現代史を中心として、南京事件の犠牲者数、沖縄戦の実態などの記述について、現在の学説状況に照らして、修正を求めた。また国旗・国歌問題、イラク戦争などに関しても、事実関係に即した記述への修正を求めた」と述べている。
 しかし、沖縄戦に関する「現在の学説状況」の具体的な説明はない。部会長の報告に対する質疑も記されていない。
 今回の検定に関して、渡海紀三朗文科相は4日の衆院本会議の答弁などで、教科書出版社の訂正申請に対し、真摯(しんし)に対応し、審議会を開催する方針を明らかにしている。

(10/8 10:08)

 

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